まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚できなきゃ大戦争!?〜

(仮)花嫁のやんごとなき事情 -離婚できなきゃ大戦争!?- (ビーズログ文庫)

(仮)花嫁のやんごとなき事情 -離婚できなきゃ大戦争!?- (ビーズログ文庫)

ストーリー
クロウから「勝ったら離婚してやる」と、ある賭けを持ちかけられたフェル。
一気に離婚を決めるために張り切るフェルだったが、なかなか勝つことができずにいた。
そんな中、ユナイアの使者としてガウェインが城にやってきて……。



毒龍公な旦那さまが萌えキャラすぎて困る。
前巻ラストでクロウの思いが明かされたこともあり、今回はわりとクロウ視点も多かったのですが、この皇子さまったらフェルに対してめちゃくちゃ一途。
贈った指輪をはめてくれないことにやきもきしたりとか、「カネづる」発言に喜んだりとか、フェルとやたら親しげなガウェインに嫉妬したりとか、やだもうベタ惚れじゃないですか!
そのくせ「シレイネ」にはなかなか攻めきれずにいる、この不器用さが焦れったくもあり、ニヤニヤポイントでもあり。
一方で、少しは素直になれるらしい「フェル」との会話の中で妻への思いを語ってみるあたりは、さすがの策士っぷりだなとも思います。
しかしこんなにも想われているのに、フェルときたらまだ自分は偽物だからとか言って、旦那さまを歯牙にもかけないという……なんて罪な女なの!


ガウェイン先生がイラストで初登場しましたが、予想外のイケメンで噴きました。この絵面なら確かに、クロウがライバル視してもおかしくないかも。
フェルもガウェインも、それぞれ(内容は少し異なるにしろ)クロウのことを勘違いしていて、なんだろう、だんだん旦那さまのことが可哀想に見えてきます。
まあ、クロウのやり方は確かにちょっと強引なんですが。でも、この機会を逃したらもうフェルを妻にすることができないのだと考えると、この強引さにも少しは納得できるものがありますよね。
さすがに、我慢できずに「呪い」などという強攻策に出たときには何やっちゃってんのと思いましたけれどね!
普通ならここからしばらく重い雰囲気になってしまいかねないところなんですが、それを驚愕の一発でぶっ飛ばしてしまうフェルさんはやっぱり凄いヒロインでした。ツッコミにしてもやりすぎです。いいなあ。フェルさんの生き様は本当に気持ちいいなあ。


ようやくフェルにもデレの兆しがちょこちょこと見えてきたような、そうでもないような。
フェルの気持ちの方は、まあそれなりに順調に進んでいるとしても、問題はそれだけでは終わりませんよね。何しろ、フェルが離婚しなければシレイネの名前が本人に戻ってこないわけですから。
セタンタ国王や本物のシレイネが、どんな手に打って出るのかということが、今後の展開に大きく関わってくることになりそうです。
特に未だに謎だらけのシレイネ王女は、いくつかの描写から、相当とんでもない人物のように思えますが……果たして。


カバー下のイラストを見て、スピンオフ4コマ漫画とか始まってくれないかなと思いました。