まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚できたら一攫千金!〜

(仮)花嫁のやんごとなき事情 ~離婚できたら一攫千金!~ (ビーズログ文庫)

(仮)花嫁のやんごとなき事情 ~離婚できたら一攫千金!~ (ビーズログ文庫)

ストーリー
庶民の身ながら、病弱な王女の影武者として働いている勤労少女フェルディア。
ある日国王に呼び出された彼女は、王女の身代わりとして敵国の皇子『毒龍公クロウ』に嫁いでくれと頼まれる。
フェルに与えられた使命は、クロウに嫌われ、上手いこと離縁されてくることだったのだが……。



知り合いの方の感想を見て気になったので、久しぶりの少女小説に手を出してみました。
いやはや、面白かったです! 元々なりすましものとか、強気なヒロインに強気な男の組み合わせとかは好みなんですが、それにしても良かった。


まず何を置いても、フェルというヒロインの魅力について語らねばなりますまい。
この子が、もう本当に、超! 格好良いのです!
王女様の代わりとなって敵国の元に嫁がされるわけですが、旦那に幽閉されてもへっちゃらだし、使用人たちから嫌がらせを受けてもへっちゃらだし、そんな使用人たちを今度は奥方さまパワーで助けようとするし、なんというか庶民ってすげえなって思わされる、エネルギーの固まりみたいな女の子なんですね。
周りに誰も味方がいない城にぽんと放り出されておきながら、自分だけの力で自分を守り、さらには周りの人まで守ろうとする彼女の生き様は、実に気持ちいい。
王族の陰謀だの、貴族のやり方だの、そんなもの知るかと言わんばかりの無茶苦茶ぶりは危なっかしいけれど、それでクロウやイグレックといった高貴な連中と見事に渡り合ってしまうのだから、見ていて胸がスッとします。たぶん、こういうのを痛快と言うのでしょう。
弱々しいヒロインもいいものですが、これくらい強いヒロインもまたよいではないですか。クロウみたいなドS系には、どれだけ踏まれてもへこたれないフェルのような女の子こそが似合うと思います。


フェルの方に秘密があれば、クロウの方にも秘密あり。
毒龍公などと呼ばれるだけあって、クロウもただやられているばかりではなかったということですね。
ドタバタばかりやっていてそんなに恋愛色は強くない印象だったのだけれど、こうなるとだいぶ話は変わってきてですね。一気にニヤニヤ度が増してくるわけです。
まずは、フェルの気持ちがどう動いていくかというところがポイントになっていくのでしょうが、彼女を落とすのは、さすがの王子さまといえども手こずりそうな予感。
表面的にはぶつかりながらも、いつの間にか惹かれていた……みたいなロマンチックな展開、期待しています。わくわく。


イラストは山下ナナオさん。フェルの目の色の再現度に思わず感動。
201ページのイラストが素晴らしかったです。フェルさんイケメンすぎるでしょ。忍者漫画かと思いました。


エルネットさりただけはどんな顔して突っ込んだらいいのか分からなかった。