まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!6

ストーリー
長谷川がオタク嫌いであることが判明して、思い悩む柏田。
一方の恋ヶ崎はついに二次創作の小説を完成させ、同人イベントでサークル参加をすることになった。
そんな中、文化祭でのクラスの出し物が劇に決まり、配役決めの話し合いが行なわれるのだが……。



とりたてて変わったことをしているわけじゃないのに、どうしてこんなに面白いのでしょう。
これだけ面白く感じるということは、きっと何か工夫が凝らされているのでしょうけれど、完成したものを読む限りでは本当にシンプルにラブコメディをやっているようにしか見えなくて、なのにハートに刺さるものがあるのだから、不思議だし凄いと思います。


前半のハイライトは、文化祭に向けた配役の決めのあれこれ。
まったく、桃を助けるときの柏田ときたら、どうしてこうも格好良いのでしょうね! その鈍感さや考えなしの発言に苛立つこともしばしばなのですが、桃が絡んでくると圧倒的にイケメンになるからずるい。もっとも、桃とか小豆ちゃんにしか伝わらないイケメンぶりですけど。
桃と一緒にいることで、柏田は立派な主人公なんだと認識させられます。なんかごめん。いつまで経っても下の名前を覚えられなくてごめん。
後半は同人イベントでの桃や小豆ちゃん、そしてムラサキさんとのあれこれ。
小豆ちゃんがすっかり、本気と書いてマジと読むヒロインになってしまいました。ううん可愛い。
まだ、桃と長谷川の間でヨロヨロしているくらいならそこまでえぐい展開には入っていかないような気がしていたのですが、小豆ちゃんが本格参戦してしまったために、もうすっかり、修羅場が避けて通れない感じに。
たこの小豆ちゃんの決意がいいですね。少なくとも現状では、一番恋愛に真剣なのはこの子ではないでしょうか。
すでに散々悲しんでいるだけに、もう彼女の涙は見たくないところですが、一方で個人的に応援したいのは桃だし、かと言って長谷川だってどんどん可愛くなってきているし、ああ、悩ましい。
あと、忘れちゃいけないのが魔性の女ことムラサキさんですよ。この人はどこに行きたいのか、どんどん分からなくなっていくのですが、ふと気付いたらコロリと柏田を落としてしまっていそうで怖い。危険なオトナの香り。


次は学園ラブコメの華・文化祭です。いよいよ恋愛模様が交錯してきて、そろそろどこかでぶつかってしまうんじゃないかと、恐ろしくもあり楽しみでもあり。
長谷川のオタク嫌いとか、鈴木の三次元嫌いとか、そのあたりの謎についても少しずつ明かされて欲しいですね。
とりあえず、目下の問題は長谷川ですか。波乱の起こる予感しかしない文化祭を、柏田や桃がどう乗り切っていくのか。とても楽しみです。


柏田の下の名前は、あかりとの会話くらいでしか登場しないんですよね……。