まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

黒鋼の魔紋修復士1

黒鋼の魔紋修復士1 (ファミ通文庫)

黒鋼の魔紋修復士1 (ファミ通文庫)

ストーリー
神聖同盟”7か国に12人しかいない、憧れの“神巫”に任命された少女ヴァレリア。
しかしその肌に刻まれた魔法の源“魔紋”を委ねる紋章官は、よりによもって男、かつ超性格の悪い少年ディミタールだった。
純血の肌を男にさらす乙女心と、各々の立場から対立してしまう2人の元に、初仕事となる任務が与えられ……。



くろのひえら・ぐらふぃこす。うん、読めない!
なんとなく面白そうだなと手に取ったものの、あらすじを読んだら「えっ、何語?」という感じでわけが分からなくて放置していたところ、周りから面白いとの声が聞こえてきたので今になって読み始めました。あらすじって大事だと思います。


魔法使いの女の子が主人公というだけで読んだ甲斐があったと確信しました(気が早い)。
わがままでプライドが高く、世間知らずな女の子・ヴァレリアが、性格も口も悪い少年・ディミタールに小馬鹿にされながら、神巫としての初めての任務に挑むお話。
ヴァレリアは確かにときどきイラッとさせられるほどの面倒くささなんですが、それはただ物を知らないだけであって、自分の夢に向かって一生懸命に任務をこなそうとする健気なところもあり、つい応援したくなる主人公ですね。
一方のディミタールは傍目から見たら完全にいじめっ子。言ってること自体はそれほど間違っていないし、護衛としても有能だからまたたちが悪い。
ただ、蝶よ花よと育てられてきたヴァレリアにとっては、こうやってズケズケと言ってくれる相手こそが成長のために必要だったような気もします。ヴァレリアは、悔しさをバネにして頑張れるタイプの子だと思いますし。まあそれにしたって、もう少し言い方ってもんがあるとは思いますけどね。
ヴァレリアとディミタールの他にも、早速たくさんの人物が登場してきましたね。
さすがにまだキャラを掘り下げるまでには至っていませんが、今後はカリンやベッチーナ、イサークといった人物たちの活躍も見られるのではないかと思います。
特にカリンはおいしいキャラの匂いがする! ビジュアル込みで!


バトルもなかなかの迫力でした。ただ、せっかく「10年にひとりの才媛」らしきヴァレリアの凄さが、いまいち伝わってこなかったのは少し残念です。
とはいえ、あくまでまだデビュー戦ですからね。きっとこれからみるみる成長して、目を見張るような魔法で、ディミタールに一泡吹かせてくれるものと信じています。
あとはやっぱり、恋愛方面が気になるところですが……。さて、このふたりが、まさかそんな関係になるようなことがあるのでしょうか。
なんとなく、期待できそうな雰囲気もあるので、気長に待ってみますかね。色々楽しみなこともあるので、次巻も早めに読もうと思います。


イラストはミユキルリアさん。なんといってもカラーがいいですね。
陰影や色彩を意識しつつ、細やかなタッチで描かれたこの表紙には、思わず見入ってしまいました。


しかしこのあとがきの意見にだけは全く賛成できない。