まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ノーゲーム・ノーライフ2 ゲーマー兄妹が獣耳っ子の国に目をつけたようです

ストーリー
天才ゲーマーの手腕で、またたく間に人類種の王座についてしまった空と白。
ある日空は、かつての人類種が図書館の蔵書を全て賭け、それを失ったことを知る。
他種族を攻めるための情報を取り戻すために、かつての王が敗北した天翼種の元へと向かう空たちだったが……。



異世界ハチャメチャゲームバトル第2弾。
傍点やダッシュの多さは相変わらずで、読み始めは実に小うるさく感じるのだけれど、このハイテンションな作品のノリと勢いに任せて読み進んでしまえば、文章の読みにくさなどなんということはありません。今回も面白かったです。


人類種の国を手に入れた空と白。次に狙うのはいよいよ他種族です。
ということで手始めに、天翼種・ジブリールとゲームに興じる空たちですが、ゲームの内容はなんとしりとり。
しかも、口にしたものが「その場にあれば消え」「無ければ出現する」具象化しりとりなるゲームでした。ううむ、めちゃくちゃ楽しそうなのと同時に、めちゃくちゃ危ういゲームですね。
もちろん、「ん」がついて決着がつくような素人たちではありませんから、結局のところ、この具象化を使って相手をどのように「継続不能」に導くか、というのがこのゲームの本質で、まさにことばを使ったバトルそのものであるわけです。
しかも相手は人間よりも遥かに耐久のある種族ですから、生半可な攻撃では通らない。
一方こちらは人類の中でも最も軟弱な部類に入るであろうヒキコモリ兄妹。
いくら異世界の知識があるとはいえ、相当不利な条件であることに疑いはありませんが、そこはそれ、天才ゲーマーを甘く見てはいけません。
30秒という時間での的確なワードチョイスと、事前の綿密な準備。さらには付き添いのステフで遊ぶ余裕まで。ううむ、さすがです。
まあ正直、物理的におかしいだろとか、そもそもこの世界で地球の物理原則が成り立つのかしらとか、星の構成が同じで良かったねとか、「僅かに飛んだ」くらいで本当に先に死なずに済むのかとか、突っ込みどころも多々あるのですけれども、深く考えたら負けですか。
あ、ジブリールはとてもいいキャラしてましたね。ステフのツッコミの負担がまた増えた形になりますが、彼女ならきっとできる(満面の笑みで)。


愚王とされた先王の真意、そして隠された部屋。この隠し部屋の謎がこれまたどう考えても現実的でなく、突っ込みどころだらけでしたが(そもそもきちんとした描写もないけれど)、気にしない、気にしない。空と白が解けたんだからそれでいいじゃない。
そして空たちはいよいよ獣耳種……じゃない、獣人種への攻めに出るわけですが、なんとも肝心なところで、次巻へ続いてくれやがりました。
こういう引きはずるい! 悔しい! 待ち遠しい!
最後のイラストの白が放送に耐えないレベルで絶望してるんですけど大丈夫ですか。ともあれ、次も楽しみです。


「超健全空間」は評価してもいいけれど、やっぱり何かが物足りないですね!