まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

織田信奈の野望2

織田信奈の野望 2 (GA文庫)

織田信奈の野望 2 (GA文庫)

ストーリー
同盟締結のため松平元康を接待していた信奈の元にやってきた、近江の大名・浅井長政
長政は、共に天下を取るため、政略結婚をしようと信奈に持ちかけてくる。
諫言して縁談を阻止したい良晴だが、未だ侍大将である自らの身分を考えて思い悩むのだった……。



腹黒イケメン武将・浅井長政が登場。イケメンのライバルとヒロインを奪い合うのはラブコメディの定石中の定石ですが、何度やられてもいいものです。
やっぱりラブコメのライバルは美形でないと! そして金も地位も持っていないと!
とても主人公では敵わないようなライバルキャラに打ち勝つからこそ、恋愛は燃え上がるというものです。
長政は一国の主で、財産もあり、その上政略結婚と割り切った上で信奈に結婚を申し込んできました。
それにひきかえ良晴の身分は未だ低く、主との結婚などとても許される立場にはありません。いえ、もし良晴の位が高かったとしても、信奈に結婚を申し込むかどうかといえば甚だ疑問ではありますが。
信奈の気持ちとしても結婚などはしたくないようですが、しかし世は戦国。政略結婚が当たり前と言われ、その上同盟を組むための条件にされてしまっては、簡単に断ることもできません。
良晴はそれが全て分かっているだけに、じれったいほどに、なかなか口を出すことができなかったのでしょうね。
今までの良晴ならさらっと言ってしまったと思うんですけどね。もしかすると、恋愛が絡んだことで、逆に二の足を踏んでしまったということなのかもしれません。純情サルめ。


信奈の結婚を止めるためにも稲葉山城を落とさんと必死になる織田勢。そこに立ちはだかるは天下の大軍師・竹中半兵衛
うおおお、テンション上がりますね! 戦国史に詳しくない私でも、さすがに半兵衛の名前くらいは知っていますとも。
私は軍師ってやつが大好きなのです。計略で大軍を翻弄する孤高の天才。これぞロマン。そしてドリーム。
今回も有名な計略がいくつか登場してきて嬉しかったです。三国志は好きで読んでいるのでなおさらですね。
で、半兵衛ちゃんですよ。いやあ可愛い。可愛いのひと言しか出てこない。1日中半兵衛ちゃんの頭をなでて過ごしたい。
そんな癒し系アイドル武将・半兵衛ちゃんですが、良晴と主従関係を結ぶ場面では、思わず背すじに震えが走りました。
いやはや、良晴の弁舌もなかなか大したものですね。本当の秀吉にも負けない人たらしぶりではないですか。これは落ちるよ。仕方ない。
主従の誓いというのも、ロマン溢れるイベントだと思います。信奈と良晴、そして良晴と半兵衛、信頼と忠誠でつながった主従の今後に期待が高まりますね。


墨俣一夜城建築からの稲葉山城攻め、そして岐阜の誕生と、色々オリジナルを織り交ぜつつも、今回もしっかりと歴史を追ってきました。
しかしここにきて、良晴の知る歴史から遂にズレが生じてしまいました。そりゃあ、男が女になってたり、亡くなったはずの人が生きてたりなんてことを散々繰り返していれば、歴史だって変わりますよね。
そして、信奈にとっての(悪い意味での)運命の相手になるであろう、あの武将も配下に加わりました。
ここから話がどう進んでいくのか、良晴はあのイベントを回避することができるのか、まったく、続きが気になって仕方ありません。早いところ読んでしまいたいですね。


丹羽長秀さんの暗黒微笑には惚れざるを得ない。