『さよならピアノソナタ』読者がニヤニヤできる『楽聖少女』との共通点
- 作者: 杉井光,岸田メル
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先日出た杉井光先生の新作『楽聖少女』。同じ音楽ものの作品である『さよならピアノソナタ』と、いくつかの共通点を持っていることはご存じの方も多いのではないかと思います。
『ピアノソナタ』ファンの私としては、正直、読みながらニヤニヤが止まりませんでした。
自分での確認の意味も込めて、以下、共通点を軽くまとめておきたいと思います。
ちなみに未読の方に向けて付け加えておきますと、『ピアノソナタ』を読んでいないと『楽聖少女』が楽しめないということは全くありませんので、その点だけご留意を。
※この先ネタバレ注意
【登場キャラクター】
●ユキは『さよならピアノソナタ』主人公・桧川直巳及びヒロイン・蛯沢真冬の息子であることが予想される。
「僕の父は音楽プロデューサー、母はピアニスト」「母方の祖父も指揮者」(『楽聖少女』P47)
「音楽評論家をやっていた父方の祖父」(同・P48)
<ひと言>
またとんでもない設定を持ちだしてくれちゃって!! ナオさん、真冬さん、あなたがたの息子さん、今大変なことになっちゃってますよ!
ところで、「祖母」の話は出てきませんでしたね。哲郎の努力は報われたのだろうか……?
●『さよならピアノソナタ』で作曲家や演奏家として名前の上がった歴史上の人物がたくさん登場。
「彼女がベートーヴェンだ。」(同・P117)
「いま、ハイドンと呼んでいなかったか?」(同・P160)
「『……モーツァルト……』」(同・P169)
「パガニーニが口を開いた。」(同・P222)
<ひと言>
ハイドン師を筆頭にキャラクターは崩壊してますけどね! でもモーツァルトはだいたい合ってる気がする。
「さよならピアノソナタ」=ピアノソナタ第二十六番変ホ長調「告別」の作曲者であるベートーヴェンが、『楽聖少女』でヒロインとなっていると思うと、妙に感慨深いものがありますね。
ぶっちゃけ、ハイドンの名前が『さよならピアノソナタ』の方に登場していたかどうか自信がない。出てなかったかもしれません。でも桧川家のCDの山の中に積まれてることは確か。
【登場する曲目】
曲目に関しては、杉井光先生のサイト「NEET TEEN」の以下のページより抽出させていただきました。
http://blog.livedoor.jp/hikarus225/archives/50993234.html
http://blog.livedoor.jp/hikarus225/archives/51047100.html
http://blog.livedoor.jp/hikarus225/archives/51104292.html
http://blog.livedoor.jp/hikarus225/archives/51147383.html
http://blog.livedoor.jp/hikarus225/archives/51326252.html
http://blog.livedoor.jp/hikarus225/archives/52265290.html
●歓喜の歌(交響曲第九番ニ短調)
『楽聖少女』P78他
『さよならピアノソナタ』4巻P64他
<ひと言>
第九。
●Roll Over Beethoven
『楽聖少女』P190
『さよならピアノソナタ』1巻P79他
<ひと言>
『楽聖少女』に唯一名前が出てきたロック曲(たぶん)。
「ベートーヴェンをぶっとばせ」は『さよならピアノソナタ』1巻のテーマといっても良いのではないかと思います。
ユキさんは物理的にベートーヴェンをぶっとばせそうですが紳士なのでやらないでしょう。
●パガニーニの主題による狂詩曲
『楽聖少女』P345他
『さよならピアノソナタ』3巻P163
<ひと言>
読んでいるときは全く気付きませんでした。
●交響曲第3番変ホ長調
●エロイカ変奏曲
『楽聖少女』P212他
『さよならピアノソナタ』1巻P196他
<ひと言>
『楽聖少女』のテーマ曲。『さよならピアノソナタ』で登場したのは元になった変奏曲の方ですが、どちらにせよ同じ交響曲の一部であることには変わりがありません。
『さよならピアノソナタ』でナオは「エロイカ変奏曲」を用いて、「パガニーニ」を真似て「ベートーヴェン」をぶっとばしました。
『楽聖少女』でナオの息子であるユキは「交響曲第3番」を用いて「ベートーヴェン」と共に「パガニーニ」をぶっとばしたわけです。何これテンション上がる。
1巻の時点ではこれくらいでしょうか?
抜けや間違いがありましたら、コメント等でご指摘いただけるとありがたいです。
ああ、2巻も楽しみだなあ!