まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

いもうとがかり2

いもうとがかり 2 (MF文庫J)

いもうとがかり 2 (MF文庫J)

ストーリー
夏休みを控えたある日、帰宅中に女の子とぶつかり、パンツを見てしまった翔太。
恋のクラスに転校してきたその女の子・文月ゆうは、なんと恋と同じ自称木星人だった。
仲間ができたと喜ぶ恋に頼まれ、ゆうとの接触を試みる翔太だったが……。



痛い子増えたあああ! ということで新ヒロイン・ゆうが登場。
新しいキャラが出てくるかなとは思っていましたが、まさか自称木星人を増やしてくるとは。予想外。
しかしなぜ、彼女たちは木星人を選んだんでしょうね。火星人の方がポピュラーに思えますけど。何かこだわりがあるのか。
自称木星人といいつつ、恋に比べるとゆうはずいぶんまともでした。ほんとは地球人なのだけれど、木星人だと言い張っているんだなあ、ということがよく分かります。
まあ、自称木星人とはいえ、普通は(普通の自称木星人というものが何かはよく分かりませんが)こんなもんでしょう。もしかしたら本当に木星人なのではないか、と一瞬でも思わせる恋の方が特別すぎるんです。
といいますか、こうやってゆうと比べると、改めて恋の不思議ちゃんっぷりがはっきりしますね。自分が木星人だと頭から信じこんでいるから、通常の会話を交わすのさえ一苦労。翔太や愛さんの大変さがうかがわれます。
しかしまあ、だからこそ恋は可愛らしいのですけれど。守ってあげたい。


夏休みに入って、思いっきりラブコメ生活を満喫する翔太たち。「スク水か浴衣か、それが問題だ」なんてハムレット思考に陥っていたところ、それをあざ笑うかのようにして全裸が登場。ありがとうございます!
もともと翔太と恋と愛さんという微妙な3人の構図があったところに、ゆうが入ってきたことで、表にはあまり出さない水面下での気持ちのぶつけ合いが、より楽しくなりました。
名目上とはいえ付き合っているからなのか、周囲のことにはわりと無頓着な恋は、堂々と翔太といちゃいちゃ。
それを眺めてはやきもきして、不意を突いて翔太にアプローチをかけるゆうが可愛かったです。
しかしやはり、一番何かをしでかしてくれそうなのは愛さんですね。妹のために自分の気持ちを押し殺して、この人はいったいどこへ向かっているのでしょう。ふとした拍子に爆発しそうで怖いなあ。


翔太の心は、さて、どの女の子に向いているのでしょうか。
これだけ魅力的なヒロインに囲まれているのだから、いっそとことん悩み抜いて、しっかり選んでくれればと思います。
姉妹だけを相手にしていては分からないこともたくさんあっただろうから、ゆうの存在がいい起爆剤になってくれるといいですね。
まあその前に、いもうとがかりの活動の方で手一杯かも? 楽しそうだなあ。


あとがきに笑いつつも、ちょっとした不安感。作者の興味が減少しているということは、作中でも出番が減少する可能性が……それは困る!