まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ベン・トー8 超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円

ストーリー
クリスマスを控えたある日の争奪戦後、佐藤と槍水は、数日前からなぜか元気のない白粉を気に掛けていた。
白梅からの要請もあり、白粉を元に戻すために様子を探った結果、佐藤は、彼女が意気消沈している理由を思いつく。
白粉の相談に乗ってやるために、助言をくれるであろう茶髪への接触を試みる佐藤だったが……。



いつの間にやらあの茶髪が二つ名持ちに!
名前さえ明かされていないものの、1巻からずっと登場し続け、ときに佐藤たちと戦い、ときに共闘し、ときに助言してきた彼女。
そんな茶髪の二つ名獲得は、ずっと密かに応援してきた者にとって、とても嬉しいです。狼が二つ名を得るということは、皆に認められるということですからね。
必ずしも、強いことだけがその条件ではないみたいですけれど、二つ名を得た彼女はどこか、今までなかった威厳のようなものを備えているように感じました。
精神力が意外と重要な半額弁当争奪バトル。自信は強さへつながります。これからさらなる強敵として佐藤の前に立ちはだかってくれることでしょう。
いつも彼女とセットの坊主や顎髭も、近いうちに彼女の後に続いていくんじゃないかな。
そんな茶髪に対し、堂々とセクハラ質問をぶつけていくのは我らが変態ヨー・サトウ。
白粉のためという大義名分があるとはいえ、こ、こいつ、それを利用して楽しんでいやがる……!
しかしなんですか、これだけド直球にセクハラされて悠々としているあたり、茶髪さんは素敵な女性だなあと思いました。こんな先輩が欲しかった。


クリスマスが近づくとともに、最も最強に近い狼《サラマンダー》が街へとやってきました。
圧倒的な力を誇る彼を相手に、負け続けては再挑戦を続ける佐藤とオルトロス、そして二階堂。
どれだけ負けても、喜んで次の戦いへと赴く彼らは、本当に弁当争奪戦が好きなんだなあと改めて感じます。半額弁当と同じくらいに、バトルそのものを楽しんでいますよね。オルトロスのふたりは前からそういうイメージがついてましたけど。
そう、オルトロスです。いやあ、私は本当にこのふたりが、特に梗のことが大好きなんですけれども、今回の沢桔姉妹は今までに輪をかけた可愛らしさでした!
佐藤たちと一緒に戦って、一緒に食事するのが嬉しくてたまらないという様子で、地獄の番犬どころか尻尾を振って近づいてくる双子の子犬に見えてきます。
大根をあーんとか、もう、なんだこの破壊力。気持ち悪いほどにやけてしまうわ! 甘酸っぱい雰囲気を出しておいて、ここぞというところで落としてくる梗の残念な感性がまたたまりません。
普段こんなことをやっておきながら、争奪戦では驚きの強さを見せつけてくるのだから、もう惚れ惚れするしかありませんよね。
このまま、槍水先輩や著莪のことを脅かすくらいに、どんどんヒロイン化していってくれるといいなあ、なんて淡い期待を。


珍しく、暗く沈み込む槍水先輩。どうしようもない、ほんのちょっとのすれ違いから、大きくなっていく溝。
どうひいき目に見たとしても、結局彼女のわがまま、自分勝手が原因なんだけれど、かつてHP部の解体を経験した彼女には、色々と思うところや、事情があったのでしょう。
せっかくのクリスマスなんだから、みんな幸せに笑顔で過ごせるのが一番いいですよね。
ずいぶん回り道をして、周りの人の助けを借りながらも、最終的にしっかりとそれを達成させた佐藤は、やっぱりヒーローなんだと思いました。まあ変態なんですけど。
そんな佐藤にも遂に《変態》以外の二つ名がつきそうな予感。いよいよここまで来たか。
未だに思わせぶりな態度を取り続ける魔導士も気になるところです。毎度のことながら、早く続きが読みたいですね。


この白梅様のイラストはずるい! ドキドキしてしまったじゃないか!