まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

迷い猫オーバーラン!10 ……護る?

  • ストーリー

心が巧に告白したことで、改めて自分の気持ちを直視する文乃、千世、希の三人。
また折しも二年生も終わりの季節となり、巧たちはそれぞれ卒業後の自分の姿に思いをはせる。
そんな中で、ストレイキャッツの居候である希は、自分の将来、そして居場所について真剣に考え始めるのだった……。


犯人はヤ……ごほん、いえ、何でもありません。
イラスト関係のごたごたには言いたいこともあるけれど、まあ一度決まったものは素直に受け入れるのがいいのかなと思います。
毎回イラストレーターが変わる。面白い試みではないですか。こういうのは楽しんだもの勝ちなんです。そうでしょう?


ビジュアルは変わっても、巧は今までと全く変わらず優柔不断で超リア充でした。
女の子の気持ちに気付いていないのならまだ許せるのだけれど、これだけはっきりと気付いていながら、まだうだうだやっているのかと思うとイライラして仕方がない。
結局女の子からのアプローチ待ちってことですよね? 流され主人公、めちゃくちゃカッコ悪い。ここまで来たら自分から行かないと。
この男のどこがいいのかさっぱり理解できないわけですが、イケメンっていうものはそれだけで全てを凌駕していくのだなあ。
女の子4人へのクリスマスプレゼントを考えるくだりは特にひどかった。腸が煮えくり返るかと。
「毎年、この問題に悩まされるのは男子の宿命か」って違うよお前だけだよ! 一緒にすんなよこんちくしょう!


一方、作品中応援したいキャラナンバーワンである家康が活躍していて嬉しい。
家康はその頑張りや能力に比べて、周りの評価があまりに低すぎるんですよ。
多少発言がぶっ飛んでるだけでこの扱いはひどいと常々思っていました。こんなにいい奴なのに。
その点今回は、みんな素直に家康を賞賛していて、ようやく頑張りが正当に認められたのだなと胸が熱くなりました。
いつか家康メインの巻が来て欲しいものです。


ケーキ作りのコンクールを経て、希の心情に変化が。
正直ほっとしています。やっとマンネリラブコメ状態を動かす気になったんですね。そういうことですよね。
ヒロインというよりペットに近かった希ですが、ちゃんと自分の気持ちを知って一歩踏み出した彼女は、今までよりもずっと可愛らしく思えます。
千世が変わり、希が変わりました。次は文乃のターンが来るのでしょうか。
せっかく話が動き出したのだから、このまま一気に行ってしまえばいいのだけれど。


今回のイラストレーターはヤスさん。どうしても違和感があるのは仕方のないことでしょう。
文乃はかなり可愛いんじゃないかと思います。赤い髪には慣れませんけど。


さりげなく表紙で希がダンボールから出てきているんですね。読み終わってから意味に気付いてニヤリ。