シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と紫の約束

シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と紫の約束 (角川ビーンズ文庫)

• ストーリー

ペイジ工房の職人頭として、神聖祭の砂糖菓子を作る名誉ある仕事を引き受けたアン。
巨大な砂糖菓子を作るため格安で借りたお城は、なんと幽霊城だった。
幽霊騒ぎに頭を痛める中、工房長の娘・ブリジットが、謎めいた美男子妖精を連れて帰ってきて……。


アンとシャルの距離がぐんと縮まっていてニヤニヤ。
初心で恋愛ごとに弱いアンをシャルがおちょくりまくる、というやりとりがとてもいいですね！
アンの気持ちはまだまだ曖昧だけれど、シャルの方はもう完全に固まってしまったようです。
いやあ、あのシャルがねえ。いつの間にこんなことになっていたんでしょうか。
全てはブリジットのおかげですね。彼女にとっては皮肉なことですけども。


砂糖菓子の選品会に勝利して、神聖祭での砂糖菓子を作る栄誉を得たペイジ工房。
しかし無事に終わるわけがないのがこの作品。作品作りでもアクシデントが続出しました。
アンは苦難の星の下に生まれたとしか思えない。たまには何事もなく終わってもいいじゃない。まあそれだと物語にならないんでしょうが……。
今回はひょんなことから、銀砂糖子爵・ヒューとアンが対決することに。
とても勝てそうにない戦いだけれど、工房のみんなの信頼を背に苦難に立ち向かうアンはやっぱり素敵でした。
もともとここぞというところで頑張れる娘でしたが、銀砂糖師、また職人頭という立場を得て、自分にふりかかる責任に耐え、他人を背負って立つということができるようになりましたね。
まだまだ上には上がいますけど、アンなら近いうちにヒューやキャットに並び立てる銀砂糖師になってくれると信じています。
一生懸命な女の子の成長は驚くほどに早いものだから。


ブリジットが連れてきた妖精・グラディスはシャルの過去に一枚絡んでいるようで。
それにしてもまたブリジットですか！　とことん波乱を持ち込んでくる娘ですね。
彼女が孤独に愛に飢える様子は見ていると胸がきゅっとするので、キャラとしては結構好きなんですが。
この大事な時期に狙われてしまったアン。シャルは彼女を守り抜くことができるのでしょうか。
シャルの過去のいきさつも気になるところ。昔話から推測するに、もうひとり妖精が出てくるのかな？
神聖祭もあることだし、次の巻も待ち遠しいですね。


さて、ジョナスの出番は？