まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ベン・トー7.5 箸休め 〜Wolves,be ambitious!〜

  • ストーリー

槍水の妹・茉莉花におねだりされ、佐藤たちHP同好会は一泊二日の旅行に行くことに。
槍水が知っているという珍しい駅弁を食べる予定の彼らだったが、その途中で予期せぬアクシデントに遭遇してしまう。
残念がる一行の前に、かつて出会ったあの戦士が現れて……。


短編集第2弾。サブキャラたちの話や過去話など盛りだくさんで、本編とはまた違った楽しさがあります。
こうやって誰でも主人公になれてしまうくらい、魅力的なキャラに溢れているのがこの作品の強みですよね。


1章は150ページほどの中編で、茉莉花と一緒に旅行に行くお話です。
途中の駅でうなぎ茶漬け弁当を手に入れるべく、いつかのように駅を駆け抜ける佐藤たちと、某サラリーマン。
前回とは違い、弁当のために全員で協力する姿が熱くて良かったですね。
半額弁当争奪戦は基本的に個人の戦いだけれど、たまにはこんなチームプレイがあってもいいんじゃないかと思います。
ああ、サラリーマン氏はとても格好良かったですね! 色々残念ですけどね!
後半は茉莉花の独壇場でした。この10歳児、本気で油断がならない。
そもそも水着着用とはいえ、先輩、茉莉花、白粉、白梅様と一緒に露天風呂に入るなんて、ハッスルしすぎですよ佐藤さん。
まあそれは百歩譲るとしても、茉莉花とのあれ。あれはいけません。色々な意味でいけません。
そして茉莉花は理解ありすぎ。なんとも健気で可愛らしいじゃないですか。まさかの茉莉花エンドもあるなあこりゃ。
白梅様は今回もドSに輝いていらっしゃいました。踏んでください。


5章はあせびちゃんに恋してしまった哀れな浪人生・田辺くんのお話。
いやあ、本当にあせびちゃんは可愛いなあ。思わず撫でたくなるもんなあ。
いっそ可愛くさえなければ、犠牲者を出さずに済んだかもしれないのになあ……。
というわけで、あせびちゃんの破壊力がこれでもかと発揮された回でした。恋に障害は付きものと申しますが、この障害はあまりにでかすぎる。
普段あせびちゃんと一緒にいる著莪も、きっと色んな頑張りの末にその立ち位置を得たのでしょうね。ほろり。


7章と9章は、著莪メインのニヤニヤ話でした。
佐藤と著莪の一体感ときたら、もはや彼氏彼女なんて関係とは比べものにならないくらいのべったり。
お互いのことを分かりきっているから遠慮せず何もかも言ってしまえるという居心地の良い関係がなんとも素敵です。
9章では、めったに気持ちを表に出さない著莪の本音がちょっとだけ垣間見えていて、もう何といいますか、佐藤は幸せものですなあ。完全にかませ犬になってしまった山崎くんはちょっと不憫でしたけど。
今回は出番がないかと思われたオルトロス姉妹が(しかもスーパーで)登場してくれて嬉しかったですね。
カゴを使いながら優雅に飛び跳ね、完璧なコンビネーションで相手を追い詰める戦い方が小気味よくて大好きなんですよ。
特に梗は、本当に楽しそうに戦うのがいいですよね。次も出てくれるといいなあ。


遂にアニメ化ですか。本当にやるんですか。
白粉大先生をどこまでクリーチャーとして描いてくれるのか、大いに期待しています。