まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

新人賞作家が他レーベルで最初に出したライトノベルまとめ

レーベルごとの新人賞を取ってデビューした作家さんはそこに寄り添うことが多いかと思うのですが、その壁を超えて初めて他のレーベルから出した作品にはどのようなものがあるのでしょうか。まとめてみました。
大ざっぱな基準としては



できるだけ網羅したつもりではありますが、やはりいくつかの抜けはあるかと思います。
尚、集計に際してふじゅさんルイスさんにご協力いただきました。ありがとうございました。
以下長いので畳みます。


ファンタジア大賞(1989年〜、富士見ファンタジア文庫)(第19回までファンタジア長編小説大賞
第1回(1989)
神坂一 「スレイヤーズ!」 → 「日帰りクエスト」(角川スニーカー文庫/1995)
冴木忍 「風の輪舞」 → 「風の歌 星の道(前)」(角川スニーカー文庫/1992)
第2回(1990)
小林めぐみ 「ねこたま」 → 「極東少年」(角川スニーカー文庫/1994)
麻生俊平 「ポートタウン・ブルース」 → 「若草色の訪問者」(角川スニーカー文庫/1999)
第3回(1991)
秋田禎信 「ひとつ火の粉の雪の中」 → 「シャンク!!ザ・レイトストーリー」(角川スニーカー文庫/2002)
    ※「閉鎖のシステム」(富士見ミステリー文庫/2001)
大林憲司 「東北呪禁道士」 → 「書神バトラーズ ノストラダムスの後継者」(サークル文庫/1998)
葛西伸哉 「戦国異形軍記」 → 「石のハートのアクトレス」(サークル文庫/1998)
第4回(1992)
五代ゆう 「はじまりの骨の物語」 → 「パラケルススの娘」(MF文庫J/2005)
ろくごまるに 「喪中の戦士」 → 「桐咲キセキのキセキ」(GA文庫/2010)
第5回(1993)
川崎康宏 「銃と魔法」 → 「革命暮れて皿洗い - ガンゴースト」(ファミ通文庫/2000)
富永浩史 「死天使は冬至に踊る」 → 「魔術師(マグス)の名はシモン」(サークル文庫/1997)
第6回(1994)
夏緑 「海賊船ガルフストリーム」 → 「タロット探偵MIKU―風見館殺人事件」(ファミ通文庫/1999)
南房秀久 「黄金の鹿の闘騎士」 → 「アリス・イン・ゴシックランド 霧の都の大海賊」(角川スニーカー文庫/2011)
    ※「ハード・デイズ・ナイツ レクイエムは君の…―」(富士見ミステリー文庫/2000)
     「ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻」(角川スニーカー文庫/2008)があるが、ノベライズ
第7回(1995)
対馬正治 「エルネミアの棺 異相界の凶獣」 → 「サンプル・ジェミニ―天翔る戦女神(イシュタル)」(ファミ通文庫/2001)
第8回(1996)
清水文化 「気象精霊記 正しい台風の起こし方」 → 「くじびき勇者さま 誰が小娘よ!?」(HJ文庫/2006)
第9回(1997)
榊一郎 「ドラゴンズ・ウィル」 → 「鏡の中の戦魔―ストラグルフィールド」(ファミ通文庫/2000)
あざの耕平 「霧の都の吸血鬼」 → 「神曲奏界ポリフォニカぱれっと」(GA文庫/2007)
     ※「Dクラッカーズ―接触―touch 」(富士見ミステリー文庫/2000)
第10回(1998)
秋口ぎぐる 「並列バイオ」 → 「ロンドンストーリー〈第1部〉メイベルと人狼」(ファミ通文庫/2002)
     ※「ショットガン刑事 炸裂!リボルバー娘。」(富士見ミステリー文庫/2001)
第11回(1999)
吉村夜 「魔魚戦記」 → 「アスカ―麻雀餓狼伝」(集英社スーパーダッシュ文庫/2010)
日昌晶 「覇壊の宴」 → 「試験に出る竜〈ドラゴン〉退治」(スマッシュ文庫/2010)
第13回(2001)
風見周 「ラッシュ・くらっしゅ・トレスパス!」 → 「女帝・龍凰院麟音の初恋 」(一迅社文庫/2008)
和田賢一 「ヴァロフェス」 → 「迷界のアマリリス」(HJ文庫/2007)
渡辺まさき 「夕なぎの町 十八番街の迷い猫」 → 「月の娘」(HJ文庫/2006)
     ※最終選考で受賞を逃したが、応募作でデビュー
第15回(2003)
ひびき遊 「天華無敵!」「メタルうぃっちシスターズ」(GA文庫/2008)
明日香々一 「王国神話 空から降る天使の夢」 → 「悠久のアンダンテ 荒野とナツメの物語」(GA文庫/2009)
     ※最終選考で受賞を逃したが、応募作でデビュー
第16回(2004)
いわなぎ一葉 「約束の柱、落日の女王」 → 「革命皇女 doll★llob」(一迅社文庫アイリス/2009)
鈴木大輔 「ご愁傷さま二ノ宮くん」 → 「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」(MF文庫J/2010)
    ※「空とタマ -Autumn Sky,Spring Fly-」(富士見ミステリー文庫/2006)
第17回(2005)
瀬尾つかさ 「琥珀の心臓」 → 「円環のパラダイム」(一迅社文庫/2009)
     ※「宇宙をかける少女」(一迅社文庫/2009)があるが、ノベライズ
第18回(2006)
川口士 「戦鬼-イクサオニ―」 → 「星図詠のリーナ」(一迅社文庫/2009)


富士見ヤングミステリー大賞(2000年〜2007年、富士見ミステリー文庫
第1回(2000)
深見真 「戦う少女と残酷な少年」 → 「瞬撃のヴァルキリィ」(ファミ通文庫/2005)
第2回(2001)
時海結以 「業多姫」 → 「陰月のヤジリ」(HJ文庫/2006)
師走トオル 「タクティカル・ジャッジメント」 → 「火の国、風の国物語 戦竜在野」(富士見ファンタジア文庫/2007)
第3回(2002)
田代裕彦 「平井骸惚此中ニ有リ」 → 「ヒメカミ覚醒。マツロイの剣」(ファミ通文庫/2008)
第4回(2003)
海冬レイジ 「バクト!」 → 「機巧少女は傷つかない(1) Facing "Cannibal Candy"」(MF文庫J/2009)
     ※「幻想譚グリモアリスⅠ されど魔刃の名のままに」(富士見ファンタジア文庫/2008)があるが、「夜想譚グリモアリス」シリーズ(富士見ミステリー文庫)の直接の続編
木ノ歌詠瑞智士記) 「フォルマント・ブルー カラっぽの僕に、君はうたう。」 → 「あまがみエメンタール」(一迅社文庫/2009)
第5回(2004)
かたやま和華 「楓の剣!」 → 「お狐サマの言うとおりッ!」(B's-LOG文庫/2007)
北山大詩 「エクスプローラー 覚醒少年」 → 「神聖のレジスタ1 リリーアの子どもたち」(富士見ファンタジア文庫/2008)


電撃小説大賞(1994年〜、電撃文庫メディアワークス文庫)(第11回まで電撃ゲーム小説大賞
第1回(1994)
中里融司 「冒険商人アムラフィ」 → 「デモンズサモナー」(サークル文庫/1996)
第2回(1995)
古橋秀之 「ブラックロッド」 → 「サムライ・レンズマン」(徳間デュアル文庫/2001)
第4回(1997)
上遠野浩平 「ブギーポップは笑わない」 → 「ぼくらは虚空に夜を視る」(徳間デュアル文庫/2000)
阿智太郎 「僕の血を吸わないで」 → 「陰からマモル!」(MF文庫J/2003)
第5回(1998)
三雲岳斗 「コールド・ゲヘナ」 → 「海底密室」徳間デュアル文庫/2000)
    ※第5回スニーカー大賞「アース・リバース」(1999)との同時受賞
第10回(2003)
有川浩 「塩の街 Wish on my precious」 → 「シアター!」(メディアワークス文庫/2009)
第11回(2004)
白川敏行 「異常進化の世界で 〜 The Demon's Hand」 → 「はるかかなたの年代記 双貌のスヴァローグ」(集英社スーパーダッシュ文庫/2010)
第12回(2005)
杉井光 「火目の巫女」 → 「死図眼のイタカ」(一迅社文庫/2008)
第13回(2006)
紅玉いづき 「ミミズクと夜の王」 → 「ガーデン・ロスト」(メディアワークス文庫/2010)
土橋真二郎 「もしも人工知能が世界を支配していた場合のシミュレーションケース1」(扉の外) → 「殺戮ゲームの館」(2010)
第14回(2007)
水鏡希人 「君のための物語」 → 「憧憬の先にあるもの」(メディアワークス文庫/2010)
静月遠火 「パララバ -Parallel lovers-」 → 「ボクらのキセキ」(メディアワークス文庫/2010)
第15回(2008)
山口幸三郎 「語り部じんえい」(神のまにまに!) → 「探偵・日暮旅人の探し物」(メディアワークス文庫/2010)
第16回(2009)
美奈川護 「ヴァンダル画廊街の奇跡」 → 「特急便ガール!」(メディアワークス文庫/2011)
菱田愛日 「空の彼方」 → 「夜のちょうちょと同居計画!」(メディアワークス文庫/2011)


電撃hp短編小説賞(2000年〜2006年、雑誌「電撃hp」で募集、電撃文庫
第3回(2002)
日比生典成 「真実の鏡 〜お札と猫と彼女〜」 → 「めたもる。」(メディアワークス文庫/2010)
第5回(2004)
西村悠 「二四〇九階の彼女」 → 「幻想症候群」(一迅社文庫/2008)
第6回(2005)
水沢あきと 「風の砂漠、風の塔」 → 「不思議系上司の攻略法」(メディアワークス文庫/2010)


スニーカー大賞(1996年〜、角川スニーカー文庫
第1回(1996)
七尾あきら 「鬼神草紙 メガロポリス異聞」(ゴッド・クライシス) → 「風姫―天を継ぐ者」(ファミ通文庫/2002)
冲方丁 「黒い季節」 → 「微睡みのセフィロト」(徳間デュアル文庫/2002)
第2回(1997)
友谷蒼 「花の碑」 → 「若草一家でいこう!」(角川ティーンズルビー文庫
   ※「花の碑」は未刊、後に小説ASUKA読者大賞にてデビュー
第5回(2000)
三雲岳斗 (電撃小説大賞、第5回を参照)
第7回(2002)
浅井ラボ 「されど咎人は竜と踊る」(されど罪人は竜と踊る) → 「TOY JOY POP」(HJ文庫/2006)
第9回(2004)
六塚光 「タマラセ」 → 「ペンギン・サマー」(一迅社文庫/2009)
水口敬文「彼女の運命譚」(憐 Ren 刻のナイフと空色のミライ) → 「月色プラットホーム 」(一迅社文庫/2009)


角川学園小説大賞(1997年〜2010年、角川スニーカー文庫
第4回(2000)
高殿円 「マグダミリア 三つの星」 → 「銃姫」(MF文庫J/2004)
   ※デビューはティーンズルビー文庫
第5回(2001)
野島けんじ 「ネクストエイジ」 → 「鳥は鳥であるために」(MF文庫J/2004)
     ※「君が望む永遠」(MF文庫J/2004)があるが、ノベライズ
第7回(2004)
十文字青 「純潔ブルースプリング」 → 「ANGEL+DIVE」(一迅社文庫/2008)
第8回(2004)
日日日 「アンダカの怪造学」 → 「ギロチンマシン中村奈々子」(徳間デュアル/2006)
   ※第6回エンターブレインえんため大賞(2004)「狂乱家族日記 壱さつめ」、第1回MF文庫Jライトノベル新人賞との同時受賞(2005)「蟲と眼球とテディベア」との同時受賞


エンターブレインえんため大賞小説部門(1999年〜、ファミ通文庫)(第3回までファミ通エンタテインメント大賞小説部門)
第1回(1999)
桜庭一樹 「夜空に、満天の星」(ロンリネス・ガーディアン AD2015隔離都市) → 「Girl's Guard 君の歌は僕の歌」(富士見ミステリー文庫/2002)
神野オキナ 「かがみのうた」 → 「南国戦隊シュレイオー」(ソノラマ文庫/2000)
第5回(2003)
田口仙年堂 「吉永さん家のガーゴイル」 → 「本日の騎士ミロク」(富士見ファンタジア文庫/2009)
第6回(2004)
あきさかあさひ 「渚のロブスター少女」 → 「なりゆき!しゅがあ☆くらふと」(メガミ文庫/2008)
日日日 (角川学園小説大賞、第8回を参照)


スーパーダッシュ小説新人賞(2001年〜、集英社スーパーダッシュ文庫
第1回(2001)
神代明 「世界征服物語 ?ユマの大冒険?」 → 「パステル☆マジック」(HJ文庫/2009)


MF文庫Jライトノベル新人賞(2004年〜、MF文庫J
第1回(2005)
日日日 (角川学園小説大賞、第8回を参照)
月見草平 「ロックスミス! カルナの冒険」(魔法鍵師カルナの冒険) → 「まなかみ!」(一迅社文庫/2010)
第2回(2006)
早矢塚かつや 「World's tale ?a girl meets the boy?」(悠久展望台のカイ) → 「文芸部発マイソロジー」(一迅社文庫/2009)


以下該当なし
HJ文庫大賞(2006年〜、HJ文庫
小学館ライトノベル大賞 ガガガ文庫部門(2006年〜、ガガガ文庫
GA文庫大賞(2008年〜、GA文庫
メガミノベル大賞(2008年〜、メガミ文庫
ネクスファンタジア大賞(2008年〜、富士見ファンタジア文庫
一迅社文庫大賞(2010年〜、一迅社文庫


富士見ファンタジア文庫富士見ミステリー文庫電撃文庫メディアワークス文庫はおいておくとして、徳間デュアル文庫一迅社文庫への移動がわりと多いように見えます。
初期の富士見ファンタジア文庫では角川スニーカー文庫への移動が目立ちますね。当時のレーベル事情を考えれば当然かもしれませんけれど。
近年の新人賞では他レーベルへの移動が見られませんが、これから次第に増えてくることと思います。


実はこの企画、Twitterでアイデアだけ適当に投げて終わるつもりだったのに、Galleさんにうまく乗せられてしまいました。
いきなりSkypeに呼んで協力者を集めておきながら、本人はいつの間にかいなくなってました。なんという策士!