まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

GOSICKⅢ―ゴシック・青い薔薇の下で―

  • ストーリー

姉からの手紙に同封されていた女の子用の着物を、ヴィクトリカにプレゼントした一弥。
寝間着として着てみたヴィクトリカだったが、寝ている間に着物がはだけ、風邪を引いてしまう。
一方、買い物のため町に出かけた一弥は、偶然ブロワ警部と出会い……。


ヴィクトリカがダウンしている中、一弥が1人で走り回る話。
ヴィクトリカと離ればなれのまま事件に遭遇するわけですが、やはり思慮に欠ける行動が目立っていたような。
しかし、がむしゃらに頑張っているだけとはいえ、電話の向こうのヴィクトリカが謎を解けるだけの証拠をかき集めていく行動力は素直に凄いと思います。
今回も半分怪談みたいな事件だったし、誰も信用してくれない中で、自分で事件を解決してやろうという気概が感じられました。
普通は警察にまかせて終わりですもんね。もちろん事件慣れしているからというのもあるのでしょうけど。


そんな風に一生懸命だった一弥ですが、ヴィクトリカに対してはちょっと冷たかったんじゃないだろうか。
少なくとも女の子が風邪を引いているという時点で「大丈夫?」とか「お大事に」とかのことばがあってもいいと思います。
事件に遭遇する前からそんな調子なんじゃ、ヴィクトリカが怒るのもしょうがない。
ちゃっかりお土産を買ってきているところなんかがまた、なんだかなあという感じですね。
セシル先生は鈍感と評していますけど、ただの鈍感とも違うというか、もっと根本的なところがずれているというか。人との接し方みたいなものが。
とりあえず無駄なプライドの高さはどうにかならないものですかね。


一方のヴィクトリカは安定の可愛らしさ。
特に体調が悪いせいか、ちょっと気弱になっている彼女の独り言にいちいちニヤニヤさせられます。やっぱり一弥のことが大好きなんですね。
まあ気弱なヴィクトリカに対して一弥が強気に出ているとちょっとイラッとするんですけど、友達らしいやりとりだと思うし、時々はいいんじゃないかな。
なんで一弥にだけこんなに心を許すようになったのかが気になるところです。後々明かされていくのでしょうか。


予告されていたブロワ警部の前髪の秘密が予想以上に切なくて困る。
こういう話弱いんですよね。思わず応援したくなってしまったじゃないか。頑張れ……!


毎回のあとがきが面白すぎて色々と考えていた感想が全部吹っ飛ばされます。助けて。