ランジーン×コード
- 作者: 大泉貴,しばの番茶
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/09/10
- メディア: 文庫
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- ストーリー
遺言子によって脳が変質し、通常の人間とは異なる形で世界を認識するようになった者たち。人は彼らをコトモノと名付けた。
彼らは社会の色々なところで人間と共存していたが、ある時、コトモノたちが立て続けに襲われるという事件が発生する。
事件を追う武藤吾朗(ロゴ)は、その犯人が幼なじみの真木成美であることを知り……。
第1回『このライトノベルがすごい!』大賞大賞受賞作品。
一言でいうと、とにかく読みづらかったです。
開いては寝落ち、また開いてはまた寝落ち……を繰り返してようやく読み切りました。
僕がここまで読みにくく感じた理由として、まず、コトモノという設定の難解さがひとつ。
『言葉』によって生まれ『言葉』によって遺伝する、といった存在がどうもつかみきれず、分かったような分からないようなという状態のまま読み進めざるを得ませんでした。
次に登場人物。どうも感情移入がしにくかったと思います。
ロゴの悲観的なところは好きになれなかったし、周りの大人たちは自分勝手すぎる。
もちろん中には由沙美や“赤の女王”など魅力的に感じるキャラもいましたが、そんなキャラたちでも理解できない部分がありました。
そして文章。決して読みにくい文体ではないのですが、アクションシーンにどうも動きが感じられませんでした。
動きの多いライトノベルが好きな僕には少し辛かったです。
あと、時々入るギャグ会話は唐突すぎてどうも慣れない。ロゴってこんなツッコミキャラだったの? と首をかしげてしまいました。
シリアスな場面で無理にギャグを入れなくてもいいと思うんだけどなあ。
一方で、物語としては綺麗にまとまっていると思います。
成美の苦悩や悲しみ、他人と関わっていこうとするロゴの決意には心を動かされました。
コトモノは色々な種類がでてきて楽しいですね。巻末の付録も興味深い。
あと、エピローグがとても良かったです。よくあるトリックですが、これは予想外でした。
あとがきによれば、どうやら続きが出るそうです。
コトモノの説明がない分、少しはスリムになるでしょうか? とりあえず期待したいですね。
イラストはしばの番茶さん。扉絵の由沙美がとても綺麗ですね。見開きも迫力があって良かったと思います。
あとがきで言及されていた「ある秘密」には未だ気付けていないんですけど……。