まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と青の公爵

  • ストーリー

冬が到来したにもかかわらず、アンは毎日の宿代にも事欠く貧乏っぷり。
子爵のヒューに才能を買われて城での修行に誘われるが、自分の足で歩きたいと言って断るのだった。
そんなとき、ある公爵が望みどおりの砂糖菓子を作ったものに破格の報酬を出すと知り……?


面白かったです。一気に読んでしまいました。
ものの描写が綺麗ですよね。城や林や妖精、そして砂糖菓子。
アンには色々なものがこんな風にきらきら光って見えているんだろうな。


アンの非凡さが際立っていましたね。順調にその才能を開花させつつあるようです。
なによりアンが凄いのは決して諦めないところ。
周りから何を言われても、何をされても、諦めずに相手の求めるものを作ろうとするその意志の強さには惚れ惚れします。
15歳の女の子ですよ。これが真の職人というものなのか。
心から幸せになって欲しいと思える主人公ですね。合言葉は"頑張れ女の子"。
なかなか報われることがなかっただけに、公爵の最後の一言にはじんと来るものがありました。


シャルとのほのかな恋も少しづつ進んでいるような、そうでもないような。
とにかくシャルがあまりに鈍感ですね。妖精だから仕方がない……のか?
慣れない恋に戸惑いながらも不器用に触れ合っていく2人の姿はとても微笑ましい。きゅんとします。
自分の恋心に気付いたアンがこれからどう出るのかが楽しみです。
そうそう、ミスリルの働きにも拍手! いい仕事っぷりだったよ!


ジョナスは良くも悪くも(主に悪いけれど)相変わらずでしたね。
ずいぶんひどいことをしているのに憎み切れないのが不思議。
一周回ってこのかませ犬っぷりが可愛らしく見えてきたのは気のせいでしょうか。うん、君はそのままでいて。


最後に新キャラが登場。
アンのライバルになるのか、もしくはシャルの恋敵になるのか。気になるところです。