まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『死神に育てられた少女は漆黒の剣を胸に抱くIII』感想

死神に育てられた少女は漆黒の剣を胸に抱く? (オーバーラップ文庫)

ストーリー
北方戦線にて、ローゼンマリー率いる紅の騎士団を退けたオリビアたち。一方、中央戦線を孤軍で支えていた王国第二軍は、帝国の元帥率いる天陽の騎士団の参戦により、窮地へと追い込まれていた。戦線の崩壊を予見した王国は、常勝将軍として名を馳せたコルネリアス元帥率いる第一軍で迎え撃つ決断を下す。さらに、オリビアも別働隊を率い、第二軍救援のため行軍を開始する! そんな中、二国を監視し、機を窺っていた存在も遂に始動。大陸を巡る戦況はさらに混迷を深めていく。各国の思惑が錯綜する中、戦を制するのは――? 王国軍“最強の駒”として、常識知らずの無垢な少女が戦場を駆ける、第三幕!

無邪気な最強の少女が野原のように戦場を駆け回る痛快ファンタジー戦記第3弾。
王国軍無敵の矛・オリビアの無双ぶりは引き続き留まるところを知らず。またも帝国軍を震え上がらせたかと思えば、謁見の場で大きいケーキを頼んでみたりする(かわいい)。
とかくオリビアの魅力が詰め込まれている作品なわけですが、王国のもうひとりの切り札・常勝将軍コルネリアスの活躍が見られたのも嬉しいですね。


今回はオリビアだけでなく、他の登場人物たちの活躍も多めに描かれていたように思います。
ずっと王によって動くことを止められてきた元帥コルネリアスの圧巻の指揮ぶりをはじめ、なんだかやたらとキャラが立っている若き将軍ブラッドや、もちろんアシュトンにクラウディアなど、それぞれのキャラクターがいきいきと動いてきていて楽しい。
その分オリビアの戦闘が少し抑えめなのが寂しいっちゃ寂しいんですけど、まあずっと彼女ひとりだけが活躍し続けるのもね。半分くらい日常シーン(?)だったのも、メリハリがあっていいんじゃないでしょうか。
それにしても、パウルといいコルネリアスといい、お偉いさんたちが揃ってオリビアを可愛がって、逆にオリビアも「おじいちゃん」たちに懐いている姿、やたら微笑ましくないですか。ほっこりしちゃうね。


王国と帝国の戦争に終始するかと思いきや、突如首を突っ込んできた謎の国メキア。
ついに魔法が公の場に登場してきたわけですが、その存在が戦いにどのような影響を及ぼしていくのか。思い切りかき回してほしいような気もするし、あっさりオリビアに打ち負かされてほしいような気もする(笑)。
帝国最強の男・フェリックスとのフラグも立って、そろそろオリビアの無敵街道にも陰りが見えてくるのか、それとも最後まで突き抜けた最強ぶりを見せてくれるのか。
あとがきによれば物語も折り返しということで、ますます加速していくだろう今後の展開が楽しみでなりません。


ブラッドとリーゼの関係性がベタだけど結構好き。