まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『魔王をプロデュース! ドルヲタの俺が異世界で亜人種アイドルユニットのPになるまで』感想

魔王をプロデュース!  ドルヲタの俺が異世界で亜人種アイドルユニットのPになるまで (ダッシュエックス文庫)

ストーリー
俺はただ、アイドル好きなだけだった。ドルヲタの俺は暴漢に襲われたアイドルを助けた時に死亡し、異世界に転生した。そこで出会ったのは、鎧姿で密かにダンスの練習をしていた少女・ベル。その才能と情熱に惚れ、彼女をアイドルの道へ誘った俺を、ベルの付き人キュリアが慌てて引き止める。「ベル様には、魔王という立場がおありなのです!」え、魔王って、世界征服しがちとかいう、あの魔王? これは、アイドルの概念などない異世界で、転生特典を駆使して、魔王を命がけでアイドルにしなければならなくなったプロデューサーこと俺の物語。魔王なデュラハン、露出魔の霊少女、超絶音痴なローレライ、皆まとめて俺のアイドルに……できるのか!?

ファンタジー異世界に転生したアイドルオタクが歌とダンス好きな大魔王の娘と出会い、彼女をアイドルデビューさせるべくプロデューサーとして奮戦する異世界アイドルストーリー。
デュラハン、レイス、ローレライといった魔物美少女たちによるアイドル活動! 好きに向かってまっしぐらな女の子が魅力的なのは人間だろうが魔物だろうが同じなのである。
しかしこのドルオタ、童貞で変態でストーカー気質の癖にやたら有能だな……。


アイドルをファンの凶刃から守って命を失った結果魂ごと異世界に召喚された主人公。これだけ見るとかっこいい字面だけど本人もアイドルのストーカーやってたんだからサラリと業が深すぎる。
そんな闇のドルオタがこの世界の亜人族の頂点たる大魔王の娘・ベルと出会い、亜人の国にアイドルの伝説を打ち立ててゆく! そんなお話です。
異世界なのに魔王が地球の楽曲を知っていて、しかも「踊ってみた」してるとか、異世界に渡ってきたときに主人公が得た魔法が完全にアイドルステージのための演出魔法だったりとか、地球の文化がめっちゃ入ってきてるのに逆にアイドルだけは存在しないんかいとか、ツッコミどころは多々あるにせよそれは脇に置いといて、アイドルですよアイドル! 異世界でアイドル!
歌とダンスが好きな女の子がキラキラ輝く夢のステージに立つこと。それはたとえ女の子が魔王でデュラハンで首から上が取れようとも、自然の摂理なのである。


ベルを筆頭に、露出癖のある半霊(レイス)の少女・ダロンシェ、致死性の歌声を持つローレライの少女・エーデルワイスが揃い、スターダムへと駆け上っていく3人。
世間から隠れた才能や個性が集まって羽ばたいていく姿というのはいいものです……。多少個性にクセがありすぎるけどな! みんな基本は魔物だからな!
推しは断然ダロンシェちゃん! すぐに脱ぎたがる変態美少女とか最高すぎる。もう霊でもなんでもいいです。次第に主人公に惹かれていくベルやエーデルワイスを横から冷静に見ているそのスタンスも好き。アイドルたるもの安易にプロデューサーに恋などしてはいかんのだ! でも後々ダロンシェちゃんルートに入るのは大いに歓迎します!
全体的にかなりトントン拍子だったように思いますが、それでもいくつかあった困難を乗り越え、アイドルとなった彼女たち。すでにアイドルとしてはわりと本懐を遂げてしまったような気もするけれど、次は何を目標にしていくのかな。


イラストは白狼さん。可愛いが前面に出たイラストで良かったです。
特にカラーのダロンシェちゃん! この笑顔永久に守りたい。


あ、キュリアちゃんも推せる(浮気)。