まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『リオランド 01.最慧の騎士と二人の姫』感想

リオランド 01.最慧の騎士と二人の姫 (角川スニーカー文庫)

ストーリー
リオランド王国の若き天才騎士・ミカドが戦場で出会ったのは、《科学》の異世界の姫・エチカ。監視役となったミカドとエチカは互いの信念に惹かれ合うが、リオランド皇女・“予言姫”リューリリリィにより、《科学》世界の王国侵攻が示され!?「オレはこの国とリューリ姫をお護りする。手を貸してくれ」「私はこの戦いを止めて故郷に帰りたい。お願い、手伝って」リューリへの忠誠、エチカとの約束のため、ミカドは戦場でその真価を示す。その先には別れがあることを――そしてリューリリリィの紡ぐ予言が、大陸を禍乱へ導くことを知りながら。魂を震わす運命と叛逆のヒロイックファンタジー、開宴!

岩井恭平先生が贈る重厚ファンタジー……と思ったら後から遠未来SFがドッキング!
ファンタジーとSFを力技でくっつけてひとつの物語にしていくバランス感覚はさすが。とはいえさすがに読んでいて目が回りました(笑)。
まだプロローグというところなので、ここから両世界の登場人物たちがどのような戦いを繰り広げていくのか興味津々です。


巨大な塔とともに落ちてきた謎の少女・エチカを連れ帰ったリオランド王国騎士のミカド。彼女は科学の星からやってきた異世界の姫だったのだ!
おおー、岩井先生のファンタジー作品だ! と思って勇んで読み始めたらガンガン入ってくるSF要素! いやあ、さすがに一瞬面食らいましたわ。
純粋なファンタジーも読んでみたかったけれども、この世界設定は唯一無二だなあ。趣味でやりたい放題やっているようでいて、それで物語を破綻させずに成立させてしまうのは作者の力量というものですわなあ。
ただ、ファンタジーの側も科学の側もそれぞれ設定が入り組んでいるので結構頭がこんがらがってしまいますね……。


キャラクター陣も個性的で良かったです。ダブルヒロインが対照的でしたね。自分の目的に対してまっすぐな科学の姫・エチカも魅力的だけれども、今のところはミステリアス極まるファンタジーの姫・リリィ推しかな。
そんな両者の間のキーマンとなる主人公のミカド。周囲から「魂なし」と蔑まれながらも使命のため一途なまでに自己を押し通す固い信念の持ち主ですが、自分の身を顧みない行動などもあり仲間たちからは心配されっぱなし。完成されているようでいてまだ成長の余地を残した主人公のようにも思えます。
科学側から一方的に攻撃をされた形で今巻は幕を閉じていますが、次巻以降はいよいよ本格的にファンタジー世界 VS 科学世界の戦いが描かれる模様。ファンタジー側に勝ち目があるようにはどうも見えないのですが……そんな不利な戦いの中でミカドやエチカがどういった働きをしていくのか楽しみです。


イラストはれい亜さん。好き(語彙力が低下している)。
リューリリリィ姫美しすぎる……。


ハァミアさんの報われない女感がたまらなく好きです。