まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術3』感想

異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術3 (講談社ラノベ文庫)

ストーリー
MMORPGクロスレヴェリに似た異世界へ召喚されたディアヴロは、手違いで奴隷としてしまった豹人族のレムと、エルフのシェラを従え、異世界ライフを過ごしていた。そこへ魔族エデルガルトが現れて『レムの中に封じられている魔王クレブスクルムを復活させるのに協力しないか?』と持ちかけてくる。以前、レムの中の魔王を取り除く、と約束していたディアヴロは――内心は怯えつつも、いつもの魔王ロールプレイを発揮して、魔族の提案に乗ってしまう!「魔王クレブスクルムを復活させ、この俺が倒す!」ロールプレイVS本物!? いずれ世界を震撼させる魔王(演技)が絶対的な強さで突き進む異世界冒険譚、第三幕!

アニメ化記念に、となんとなく読みはじめたんだけれども、なんだかんだで続きが読みたくなっちゃう面白さ&圧倒的な読みやすさ。
3巻目にして早くも魔王復活! でもそんな魔王すらファンタジー世界での楽しい日常の中に組み込んじゃうのが素晴らしい。
復活した魔王ことクルム(かわいい)と、因縁の深いレムとが、複雑な思いを乗り越えて親交を温めていく展開が熱かったです。


個人的一押し魔族・エデルガルトちゃん再登場! 魔王を復活させたい彼女と、レムを魔王の魂から開放したいディアブロとの間で利害が一致。ともに魔王クレブスクルムの復活の儀式を行うことに。
しかし復活したクレブスクルムは人族に対する悪意を持たないビスケット好きの幼女だった! またヒロインが増えるよ、やったね。
秘めたる力は確かに魔王のものなんだけれど、ビスケットをくれたシェラに無邪気に懐く様子はお子ちゃまそのもので、見ていて微笑ましいです。もちろん正真正銘の魔王だから、本当ならば簡単に仲良くしようなんて思わないかもしれないけれども、こういうときにはシェラの天真爛漫さが救いになりますね。魔王でもなんでもいいじゃん。かわいいんだもん!


ただ、当人がどれだけ平和的な存在であっても、魔王というだけで争いの火種になることは避けられず。
アリシア……やってくれたなあ。遂に本性を表した彼女に比べればオスカーなんてただの噛ませ犬ですよ噛ませ犬。いやまあレムをこんな風に痛めつけやがったことは許さないけど。
レムとクルムの間には浅からぬ因縁があって、その心の距離をやっと近づけることができたのに、だからこそ起きてしまった悲劇。人の思いをなんだと思っているのか……アリシアのヤロー……。
本格的に復活してしまった魔王クレブスクルムに対するのは、もちろん我らが魔王ディアブロ。よっ、待ってました、という感じなんですが、いやあ正直ディアブロの力量ってどんなもんなんでしょうね。なんだか本当の魔王が敵でも負けるビジョンが見えないというか、やっぱり世界最強なんじゃないかと思えてしまうんですけど。
一件落着したものの、新たな爆弾を抱えることになったディアブロパーティ。次もエデルガルトちゃんが出てくるのかな。楽しみです。アリシアは、まあ、わりとどうでもいいです。


存外に直球のエロシーンだったな……(嬉しい)。