まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『アサシンズプライド8 暗殺教師と幻月革命』感想

アサシンズプライド8 暗殺教師と幻月革命 (ファンタジア文庫)

ストーリー
「このまま世界が……先生とわたしのふたりきりになってしまえばいいのに……」その日、フランドールに激震が走った。王爵セルジュが、突如としてランカンスロープとの融和という革命を宣言。都市に公然と姿を現す夜界の住人・ワーウルフ族に、人々は恐れ戦く。しかし希望は残されていた。ひとの姿をした光――メリダ=アンジェルが革命を止めると記された予言書が見つかったのだ。それゆえワーウルフ族から狙われることになるメリダとクーファ。闇に沈みゆく街を密やかに逃避行する中で、過酷な運命に押しつぶされぬよう、暗殺教師は少女を抱きしめるが――。

サムライクラスであることを世に明かし、愛する家庭教師との距離もちょっと縮まり、いざ新章突入と思ったらいきなりの大波乱。
王爵とランカンスロープによるフランドールの占拠。街を救う予言の子として名指しされたメリダはクーファと二人逃避行の旅へ!
いやー面白かった。前巻がめちゃくちゃ良かったので期待も爆上がりでしたが、きっちりとそれに応えてくれる盛り上がりぶりで、もはや信頼感しかない。前後編の前編ということで早く次巻が読みたくて仕方ないです。


王爵セルジュとランカンスロープ・ワーウルフ族による突然の融和宣言。聖王区は陥落し、フランドールはワーウルフ族によって実行支配されてしまう。そんな中、ビブリアゴートから発見された予言書には、この状況を解決に導く存在「メリダ=アンジェル」のことが記されていた!
うんうん、いいですね! 若く実行力のあるリーダーとして描かれながらも、ずっと不穏な陰めいた部分を臭わせていたセルジュの思惑がついに世界に牙を剥いた形となりました。うさんくさい奴だとは思っていましたが、ここまで物騒なことを考えていたとはね……。
無血主義者を謳いながら街中に指導者として君臨し人々を支配していくワーウルフたち! 降って湧いた予言のせいで命を狙われるメリダ! 彼女を救うため二人きりでの逃避行に出るクーファ! まさに急転直下のストーリー展開で手に汗握りました。
魅力的なキャラクターが多い今作ですが、結局のところ僕はメリダとクーファの主従のことが大好きなので、結構久しぶりのようにも思える二人きりでの大冒険にテンションMAXですよ。前巻のアレ以降お互いにちょっとずつ意識するようになっちゃったから、ニヤニヤ度も高くてもう最高! 恥ずかしがりながらもちょいちょい大胆なアプローチを試みていくメリダお嬢さま可愛すぎでしょ……。


情報収集と頼りになる仲間との合流を経て、メリダとクーファは逃亡の旅から一路、反転攻勢へ。
フランドール中を散々逃げ回ってから、満を持してホームたる学院に帰ってくるとか、ストーリー的にめちゃくちゃ熱いですわ。物語の盛り上がりってやつを分かってるなー!
不気味なワーウルフのシスターによって生徒たちの心が奪われつつある中、メリダたちの帰還を機に反撃に打って出る講師の面々の格好良さが光ります。そして一番の輝きを放っていたのは、やはりブラマンジェ学院長。前線を引いた女傑の、かつての伝説を伺わせる戦いぶりに震えました。
今回は分冊構成とのことで、後編の9巻へ続く。メリダとクーファの活躍もまだまだこれからという感じだし、エリーゼサラシャ、ミュールたちの出番も恐らく待っているだろうし、セルジュの本当の思惑も明かされていないし、色々と楽しみなことがいっぱいです。早く読みたいぞー!


敵が作った赤ずきんの呪いを利用してイチャイチャするとか天才かよ……。