まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『アサシンズプライドSecret Garden』感想

ストーリー
マナを持つ令嬢たちが、研鑽を積む学園。花盛りの少女たちには、大人には言えない秘めごとが、たくさんある。交流戦の裏でパジャマパーティを開いては、学校の怪談に脅えてみたり――「責任取って下さいますよね、先生……っ?」王爵の影武者を務めるクーファを女学園に匿まったり――「せんせに慣れないと」「あ、あんまり見ないでくださいっ」オリエンテーリングと称して学園一のカップルを決めようとしたり――「だめですっ! 先生はわたしの先生なんだからっ」賑やかな秘密の花園の日常に加え、ロゼッティが胸に秘めた甘くほろ苦い《夢》を描いた書き下ろしエピソードも収録。

お、『アサシンズプライド』新刊が出てるじゃん! やったぜ買いに行こっと、と思ったところで1コ前の短編集を読んでいなかったことに気付いて急いで読みましたよ、の巻(まき)。いやぁほんと短編集って後回しにしがちでよくない。読めばこうして面白いのにね。
表紙の通り、4人の少女たちが代わる代わるメインとなって描かれる愛らしい日常の数々、ほっこりと楽しませてもらいました。


第1話や第3話などでは、聖ドートリッシュ女学園とその周囲のアクアリムス天鏡区が舞台に。僕の大好きなとある水上都市がモデルだと思うんですが、そのお洒落な街並みを舞台にしてミュールとサラシャのコンビが謎解きをするミステリー風味な第3話が特に印象的でした。
謎解き自体はもう明確に某有名ミステリーのオマージュなんだけど(たぶん)、そこから導き出される結末が女学園のほんのり百合っていうのが実にこの作品らしくて良いのう……(縁側から孫娘を眺める好々爺の眼差し)。
女学園×百合ということでいうと出色の第5話。聖フリーデスウィーデの新たな七不思議を探すと銘打ちつつ、その実は校内の百合カップルを順番に紹介していく百合探索クエスト回。
興奮冷めやらぬミトナ会長が面白すぎて笑ってしまった。でも心情としては深く深く同意したいぜ! なお個人的にはネルヴァ派である。


戦闘がないぶん我らがクーファさんの出番も少なめですが、出てきたかと思ったら4人の妖精たちとイチャイチャしたりラッキースケベしちゃったりしているので本当に油断のならない家庭教師ですわ!
第4話のサラシャ回は特に凄かったですね。正直たいへん好みのシチュエーションでございます……。サラシャみたいな無垢な女の子とこういうイベントになるとなんだか三割増しで興奮しちゃうよね。なんであの場面のイラストがなかったんだよぉ……(血涙)。
そしてやっぱり、ド安定のメリダお嬢さま。第6話での手を変え品を変えてのイチャイチャぶり、とても見事でございました。やっぱりメリダなんだよなあ。これだけ強くなっても内面的にはまだまだ未熟でお子様で甘えん坊で、でもときどき背伸びしちゃうメリダが本当に可愛くて仕方ないです。
さあ、これで大手を振って8巻が読めるぞー! 楽しみなんじゃー!


自分がみんなからどう見られているのかを突きつけられたミュール嬢かわいい。