まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『我が驍勇にふるえよ天地5 ―アレクシス帝国興隆記―』感想

ストーリー
レイヴァーンの策により壊滅間際まで追い詰められたアレクシス軍。だがレオナートは奪還した故郷リントを早くも発ち、戦況を打破する豪胆な一手へ向けて走りだしていた。それは知謀シェーラが示す電撃作戦。不利が有利へ塗りかわり、敗走が大戦果への活路となる! 興奮必至のリント攻防戦、最佳境へ――!!「急げ。次へ行く」闇を往く百騎の死神、今宵、我らの英雄譚は終わらない――終局まで読み切り、最善手を打ち続けるレイヴァーンの作り上げた、盤面全てを覆せ! 魔法がないから盛り上がる、痛快・本格ファンタジー戦記。両軍雌雄を決する第5弾!!

好敵手レイヴァーン軍とのリント争奪戦に終止符を打つ、ストーリーの大きなターニングポイントとなる第5弾。
敵軍の卑劣な手によって危機に陥ったアレクシス軍をその圧倒的武勇で救い出していくレオナートの格好良さったらない!
リントを守るべく、また攻め落とすべく、ギリギリの戦を繰り広げながら、戦場の外ではお互いの遠来の策が働いている。敵味方の武と知とが大いに乱舞する素晴らしき戦いぶりに興奮さめやらぬ。


川に毒を流すというレイヴァーンの策により、壊滅の憂き目を見たアラン隊。
あわや全滅かというところで思わぬ活躍ぶりを見せるのは、アレクシス軍きっての曲者・トラーメでした。さすがは狐というべきか、自分に迫る危険を避ける目は超一流なんですわ。
もっともそこで反撃に出ようと思わず、レオナートを裏切って逃げ出そうとするあたりもまた彼らしくて苦笑してしまうんですが、我らがシェーラがそうそう簡単に逃がしてくれるわけもなく。
トラーメとともに残った騎兵を引き連れて、味方を根絶やしにしようと狙う敵軍を逆に次々と夜襲で打ち破っていく無双感。これぞレオナート。これぞ伝説伝承。痛快とはこういう展開のことを言うのだよ!
一方、一敗地に塗れたアランたち。敗残の将は本当の姿を見せると言いますが、これだけ散々な目にあってもよく部隊をまとめ、被害を抑えて行軍してみせたアランの手腕と人望はさすがだと改めて思いました。それにしてもジュカの淡い恋心(?)は意外すぎましたね! おうおう嬢ちゃん可愛いやんけ……応援してるぞ!


なんとか別働隊を拾い上げてリントに籠城するレオナート軍。勢いに乗じて一気呵成に攻め立てるレイヴァーン軍。
野戦ではないということもあり、レオナート軍からはフェルナンド、レイヴァーン軍からは子飼いの将・スィータといった、両陣営の新たなタレントが表舞台で活躍してくれました。
また戦いの舞台は戦場だけでなく、物資を確保するための戦場外での知と知の争いも見ものでしたね。シェーラとレイヴァーンという策士が何年も前から巡らせていた遠大な計略。もちろん戦場での策もジュカが派手に決めてくれており、武と知が華やかにぶつかり合う決戦という様相で楽しかったです。
そして物語は思わぬ方向へ。これはテンション上がる展開だ。ますます加速していくストーリーから目が離せませんな。


クルス×マチルダのコンビ微笑ましくてすき。