まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!!4』感想

ストーリー
ミリオンセラーを目指すラノベ編集者の清純は、新人賞選考で物議を醸した超問題作を担当することに。しかし打合せにやって来た作者は、まさかの女子小学生! さらにひよこがそのJSに弟子入りすると言い出して――。「プライド? なんで? 自分より凄い人にものを教えてもらうのに、肩書きとか年齢は関係ないよ?」 かくしてJS・美門のスパルタラノベ講座が開幕……のはずが、なぜか3人で遊園地デート!? 美門のドSすぎる指導&ひよこの天然すぎる解答に振り回される清純だったが、実は美門には応募作品を出版できない秘密があって……。

サンダル文庫新人賞に送られてきた超問題作の作者は女子小学生だった! 天花を超えるかもしれない天才小学生がデビューできるか否か、清純が奮闘する第4弾。
天花が明の天才ならば美門は陰の天才。2人の天才が並び立つ時、ビッグバンが生まれる……的な話かと思ったらひよこがしゃしゃり出てきて笑った。やっぱりひよこいいなあ。癒やされるなあ。
清純の行き当たりばったりで猪突猛進な熱血編集者ぶりは相変わらずで、若さが眩しくて見ていてちょっと苦しくなってしまうけれども、そんな彼だからこそ救えるものってあるよね。


変人変態揃いのサンダル文庫編集部で開催された新人賞最終選考。編集者それぞれの性癖と打算が入り乱れるドタバタ会議が楽しいです。一押し作品をここぞとばかりにアピールしまくるどこぞのラノベ読みの姿を幻視したよ……ここまでひどい絵面ではないと思いたいけど(笑)。
そんな中、誰しもが問題作と口を揃える作品。何の因果か担当編集に選ばれてしまった清純が会いに行ったその作者は、女子小学生だったのだ! 清純の担当作家年齢層広すぎぃ!
片手間に書いたため出版はしたくないという美門。その才能を埋もれさせないようどうにか説得したい清純。そんな中に突如顔を出した天然ボケの鬼・ひよこ!
会ったばかりの小学生に小説の教えを請おうとするあたり流石というか、作品のためなら手段を選ばない彼女らしい姿勢で見習いたくなる。清純に対しては頑なだった美門が、ひよこの天然に振り回されている内にいつの間にか絆されてしまう展開にほっこりしました。天然ってやっぱ最強だわ。


天才・皇美門が作品を表に出すことのできない理由と対面した清純。
社会的な圧倒的強者、そして業界で長年戦ってきた者の経験からくる理屈を前に一度は打ちのめされたものの、それでも一人の小学生を、いや作家を救うため、再び自分の信念を胸に立ち向かう。
いやー毎度ながら清純さん、熱いですわ。胸焼けしそうですわ。全力でお仕事してんなあ。疲れそうな生き方だけど、ちょっと羨ましいよ。
結果としてはこういう形になりましたが、美門が最後に笑顔を見せてくれたのでハッピーエンドでしょう。そしてJSにもデレられる清純である。おい黒川。マジ爆発しろ。


ソレイユ様の罵倒生放送、これは天下獲れるでぇ……!