まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術2』感想

ストーリー
MMORPGクロスレヴェリに似た異世界へ召喚された坂本拓真は、手違いで召喚主の少女二人を奴隷としてしまう。訳アリな豹人族の少女レムと、家出中のエルフ王女シェラだ。拓真はゲームのままの強力な魔術を使い、彼女たちと街を魔族から守る大活躍。しかし、平穏は長く続かなかった。エルフの王国から『王女を渡さねば開戦』と要求される。自由を諦めようとするシェラ……気弱な拓真だったが、ゲームでやっていた魔王ロールプレイを発揮し、言い放つ。「我を侮るな。国軍ごときに魔王が屈するなどあろうはずがない!」魔王がエルフの王国と激突する!? 世界を震撼させる魔王(演技)が絶対的な強さで突き進む異世界冒険譚、第二幕!

エルフの王国からシェラを守るため奮闘する我らが魔王ディアブロと仲間たちを描く第2弾。
今回も抜群の読みやすさと安定感ばっちりの面白さ。むらさきゆきやって本当にすげえわ……(しみじみ)。
クズすぎてヘイト溜まりまくりのシェラ兄や、ディアボロでさえも苦戦する某強キャラなど、敵キャラクターの立たせ方の上手いんだよなあ。


シェラを連れ戻そうとするエルフの王国・グリーンウッド。
身を狙われているとはいえ、相手は同族のエルフであり、できるだけ傷つけたくないシェラ。そのためにわざとランクの低い武器を買うなどしてちっちゃな努力をする魔王ディアブロが微笑ましい。この魔王、優しさの塊である。
もういい加減、シェラやレムをはじめとした周囲の人々にはバレていると思うんだけれど、それでも魔王ロールプレイのために優しさをひた隠しにしようとするあたりもまた笑える。そんなに魔王ロールが大事かな!
それから、次第に芽生え始めたシェラとレムの友情も見どころでした。壁を作っていたレムが少しずつシェラに歩み寄っていく姿にほっこりします。よき絵面じゃ~。


シェラの連れ戻しを主導していたのは、彼女と子を成そうとする実の兄キイラだった!
いやはやこれまた、めちゃくちゃ厭味ったらしい敵キャラを出してきたもんですね! シェラのことを完全に物扱いしている点といい、彼女の意志を無視した卑怯極まりないやり口といい、見事です。もう一発で嫌いになれる素晴らしい敵キャラですわ(笑)。
いざ荒事となれば頼りになるディアブロ。相変わらずの無敵っぷりを見せつけてくれる……かと思いきや、思わぬ強敵が立ちはだかる!
ずっと圧倒的強者でいられるわけもないので、いずれは彼と肩を並べる相手も出てくるだろうとは思っていましたが、存外に登場が早かったですね。好敵手との真剣な戦いはやはり熱くてよいものです。今後もこういう機会が増えてくるのかな。
次巻は僕の推し・エデルガルトちゃんのターンですか!? これは期待しちゃうぜ。


ガルフォードさんのキャラデザ格好良すぎでしょ……。