『百練の覇王と聖約の戦乙女2』感想

百錬の覇王と聖約の戦乙女2 (HJ文庫)

ストーリー
《蹄》の宗主ユングヴィを打ち破ったことで大陸中に衝撃を与えた勇斗。リネーアから結婚の申し込みをされるが、現代に残してきた美月を想い困惑を隠せない。そんな折、《雷》の若き宗主“虎心王”ステインソールが祝勝式典に突如現れ、勇斗と一触即発の状況に。再び戦の気配が迫る中、弟国《爪》の双子の姫君まで妻にしてくれと押しかけてきて……!?

あちこちから求婚されてハーレムルートかと思いきや、今度は《蹄》を超える強敵《雷》との戦。
未来の知識と策でもってどれだけチートしても押し負ける圧倒的な武をどうやって打倒するか。緊張感溢れる戦いが描かれました。
勇斗が王の器を持つ者ならばステインソールもまた同じ。真の強者とのぶつかり合いはやはり熱い。


《角》のリネーアから求婚されて、《爪》からは双子の姫が送られてきて、順調にヒロイン増殖中。
しかし肝心の勇斗の頭の中は美月のことばかり。いやー一途でいいことだけれども、読者からするとやっぱりちょっと物足りない気持ちもあるかなあ。美月とのエピソードが描かれない分、他のヒロインに比べてどうしても思い入れが薄くなっちゃいますよね。いっそこっちの世界に来てくれたらいいのに。
双子の姫、アルベルティーナとクリスティーナはセットで面白いキャラクターでした。能力も便利だし、今後頼りになりそう。特に妹のクリスティーナは、ヒロイン陣の中でもかなりお気に入りです。いい性格しよるわ。


突如攻め込んできた《雷》。当主は無敵と名高い戦士ステインソール。
強い。半端なく強い。軍と軍の戦いで勝っていてもそれを個人の力で覆される理不尽。これだから無双キャラってやつはよぉ！！
《狼》の幹部陣が揃ってようやく足止めできるほどの武。もはや完全に呂布（作中でも言われてるけど）。智慧と力の真っ向勝負、燃える戦いでした。
ジークルーネに次ぐ《狼》2番目の戦士スカーヴィズがいい働きぶりを見せてくれていましたね。王の懐刀という感じで、こういう立ち位置のキャラクター好きですわあ。
広がりつつある領土、揃いつつある人員。野心はなくとも時代が王を放っておかない。次はどんな戦いへと巻き込まれていくのか……と思ったら、3巻は過去編なのかな？　気になっていたところだったので楽しみです。


もうリネーアエンドでいい気がしてきた。