まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『はじらいサキュバスがドヤ顔かわいい。』感想

ストーリー
「くっくっく……さあ、ヤス。私が男に慣れるための練習台になるのです……!」
生身の女子に性欲を抱けない男子高校生ヤスが同人即売会で出会った憧れの絵師ヨミさん。その彼女の正体は、性欲を集めて貪る淫魔・サキュバスだった! だけどサキュバスのくせに男性恐怖症だという彼女は、上司から課される搾欲ノルマをクリアするため、エッチな絵を公開して世の男性の性欲を集めることしか能の無い業界の落ちこぼれ。一人前のサキュバスになるために「安全パイ」のヤスを利用して、男性と接することに慣れていこうとするヨミ。恋人の振りをするなかで彼女は次第にヤスに心惹かれていくが、一方ヤスはヨミの描くエッチな絵にしか興味を持っておらず……?

旭蓑雄先生の新作じゃーい! 二次元にしか興味のない主人公と男に慣れていないサキュバスのラブコメディ。
お互いの利益のために形だけのカップルになったふたり。でもなんだかんだで相手のことが気になりだしてきちゃう。そんなベタな恋愛模様に存分にニヤニヤさせてもらいました。
自分のイラストにすらヤキモチを抱いちゃう夜美さん可愛すぎ問題。


過去のトラウマが原因で三次元の女の子に欲情することができなくなってしまった主人公・ヤス。
そんな彼の推しイラストレーター・夜美の正体はなんとサキュバスで、しかも男性恐怖症という落ちこぼれだった!
夜美の新作イラストを見せてもらうのと引き換えに、彼女が男性に慣れるための無害なお相手役に選ばれたヤス、なんだけれど……。ヤスにどんなアプローチをしても歯牙にもかけられず、むしろ迷惑そうにされるばかりで、ただただ新作イラストを求められる夜美の不憫さったらないですわ。こんなに可愛いのによお!
まあ逆に、夜美がチョロっとイラストを描いてみせただけでどんな要望にも応えてしまうヤスのチョロさは微笑ましくもある。これが消費者の悲哀というやつである。


毎日のように口喧嘩しつつも、ああだこうだやってるうちに、少しずつお互いを気にかけるようになってしまう。それはもう、お年頃の男の子と女の子ですから? お前二次元しか興味ないんじゃないのかよとか、男性恐怖症ってそんな簡単に克服できんのかよとか、ツッコミを入れようと思えば入れられますけども? ご都合主義と言われようがなんだろうが、むしろ当然そうあって欲しいといいますか!(鼻息も荒く訴えかける)
ヤスには自分をモデルに描いたキャラクターのイラスト以外見せたくない(ヤスには私しか見てほしくない)とか可愛すぎなのでは。新スタイルのイラストレーター萌えだ……。いや、ここまで言われたらヤスも気付いてやれよ! ニブすぎちゃんか!
夜美さん、えらく茨だらけの恋の道に進んでしまったなあと思ったけれど、ヤスはヤスで、いざという場面で夜美のことを守ろうとしたり、あれ、てかこれ好きなんじゃね? という場面なんかもあったりして、なんだかんだでいいカップルになりそうで良かったです。
旭作品らしからぬ(笑)ストレートに楽しいラブコメでした。ぜひ続刊も読みたいんですが……期待してもいいかなあ。


イラストはなたーしゃさん。「はじらい」まくりの夜美がどのイラストでもかわいい……。
欲を言えば「夜美の描いたイラスト」のイラストも見たかったー!


クロ先輩が気になりすぎるわけだが。