まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『ロクでなし魔術講師と禁忌教典12』感想

ストーリー
待ちにまった学院の前学期休み。早速、家に引きこもろうとするグレンだったが、セリカの強引な誘いによって、極寒のスノリア地方へ旅行にいくことに。「ねぇ、アルフォネア教授……私達と勝負しませんか?」旅行中、グレンを独り占めするセリカに見かね、グレンデート権を賭けて、雪合戦大会が勃発!? 偶然居わせた女学院の生徒たちも巻き込み、伝統行事・銀竜祭へ参加するのだが……。「やらかしたもんは仕方ねえ、お前の償いを手伝ってやるよ」銀竜祭にまつわる逸話と、セリカの失われた過去。二つが交わる時、滅びゆくスノリアの運命に、グレンは立ち上がる!

今回はセリカのターン! 休暇中に雪国への旅行回ということで久しぶりに少しはまったりできるかなと思いきや、やっぱりこうなるのね(苦笑)。しかしさすがにドラゴンは予想外だったな……まあセリカがいるからね、敵も相応の相手を用意しないとね。
システィ&ルミアやイヴなんかに比べると、いやーさすがにセリカルートはないでしょ、と思っているんですが、なんだかんだで実際にグレンを一番ドギマギさせているのはセリカだというこの状況。ママは強し。


学院が長期休みに入るということで暇をもてあますグレンと、そんな先生に旅行を持ちかける三人娘。色々と吹っ切れたルミアはともかく、システィーナもだんだん自覚が湧いてきたかな? まだ、好きとか嫌いとかいうよりはイヴやセリカへの対抗心という部分が強いみたいですけど。でも白猫推しとしてはね、嬉しくなっちゃいますね。
ただ、そんなちっちゃな頑張りもセリカ相手には儚く敗れ去る……。毎回思うけどこの人、何かにつけて規格外すぎるでしょ!
セリカがいると、システィーナもルミアもリィエルも脇役サイドに回っちゃって切ないんですよ。グレンですらツッコミ役になっちゃうんだもんな……。良くも悪くも爆弾みたいなキャラクターである。
だから、再登場したフランシーヌやコレット、ジニーも巻き込んだ、対セリカの雪合戦はなんだかやたら燃えました。うおおおおみんなでこのチート魔女に一糸報いてやれー! 無理かー! ですよねー!


セリカが主役ということは、つまり彼女の過去の謎についての話にもなってくるんですが。なんだかシリーズの根幹にも関わってきそうですねえ。
正直ね、個人的な趣味でいうと、こういう世界の謎やらなんやらというスケールのでかい話にはあんまり興味がなくって、むしろ主人公たちの身の回りの日常や事件を、最後まで地に足つけて描いてほしい方なんですけどね。でもまあシリーズも佳境ということで、必要なエピソードだったのかなとも思います。
しかし極限の雪山を舞台にしたドラゴンとの死闘は熱かったですね! 本気のセリカが操る色とりどりの大魔術。長時間戦えないセリカをサポートするグレンと三人娘。
傍若無人なだけに思えた魔女にも弱くてナイーブな部分はあって。でもそんな彼女も、最愛の弟子の言葉でようやく吹っ切ることができた。晴れて全力全開となった世界最強の魔女による迫力満点バトル、堪能いたしました。
さて次はどんな話かな。あの人物が遂に登場したこともあり、心配の種は尽きませんが……。何かと大変な事件が続いたので、そろそろ明るい日常回を見たいような気もします。楽しみです。


「これは……市長が黒幕パターン!」と勝手に勘違いしてた。ごめん市長。