まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~ 2』感想

ストーリー
学園カーストの中間層、冴えない顔の高校生・西野五郷は界隈随一の能力者である。青春の尊さに気づいた彼は、文化祭期間を利用して彼女作りに躍起となる。だが、クラスメイトに声を掛ければ振られ、部活動に貢献するも振られ、他校の生徒に声を掛けても振られ、評判は瞬く間に落ちていく。更には文化祭の売上金を巡り窃盗疑惑を掛けられてしまう。だがしかし、隣のクラスの美少女、ローズ・レープマンだけは西野と相変わらず接していた。そこでご近所での恋愛を諦めた彼は、彼女から素敵な異性を紹介してもらおうと策を講じる。ローズの真意と、一連のいじめ騒動の裏側が、白日の下に晒される文化祭騒動の解決巻。

学園カースト最下位に転げ落ちたフツメン主人公が文化祭当日に再起を図る、孤独な学園カーストストーリー第2弾。
前巻からの文化祭編の結末が描かれるのだけれど、西野の地味な頑張りとか相変わらずクソッタレなクラスメイト陣とか、そういうのがどうでもよくなるくらいの衝撃がメインヒロインに舞い降りる! アカン、ローズ・レープマンさん……好きだ……。


徹底的にクラスの嫌われ者と化した西野。ようやくやってきた文化祭なのに、今度は売上金泥棒の疑惑をクラスメイトたちから掛けられてしまう!
はーほんと、一度「叩いていい奴」認定した相手を、よってたかって大した理由もなくとことん叩くこの人間性、見ていて吐き気がしてくるんですけど。相当誇張はしているけれども、こういうノリって確かにあるよなあ。嫌になりますね。
特にむかつくのは委員長の志水ですよ。まあ目立つからってのもありますが、お前ふざけんなよと。自分の狭い世界を守るためなら何をしてもいいんかと。別に悪気があってやってるわけではないってのがまた質が悪いですね。西野を敢えて狙ってやってるならまだね、なぜそんなことをしてしまうのかって考慮もできますが、そうじゃないんだものね。
思いっきり手痛い目に遭ってしまえばいいのにという思いがフツフツと湧き上がってくるんだけれど、当の西野は別にそんなこと思ってもいないんだよなあ。こんな仕打ちを受けてもクラスのために密かに頑張るとか、器がデカイんだか鈍いんだかわかりませんが、応援したくなってしまうわ……。


事件の初めから謎に包まれていたローズの思惑。まさかそれが、西野とクラスメイトの関係性にこんな形で関わっていたとは。
きゃーローズちゃんだいたーん! 最高! ド変態だけど最高! いやさすがの僕もローズちゃんが金髪ロリ美少女じゃなかったら気色悪いと思ったもかもしれない、でも金髪ロリ美少女だからなー仕方ないなーうん仕方ない。あとイラストの本気具合がすごい。ありがとうございます。
でもその本性を見せる相手がよりによってこいつなのかよ(笑)。肝心の相手には全く伝わっていないどころかさらに嫌われちゃってるわけだけどどうすんの。
まあ結果的に、彼女の存在が抑止力となって、少しは西野の待遇が改善されるといいなあと。今回西野は、味方がいない中で間違いなく人一倍頑張ったわけですから、何かしらのリターンがあってほしいなと思うわけですよ。バーでダンディズムに浸るのもまあ悪くないですけど、っていうかこのラストシーンは正直ちょっと格好いいなとか思っちゃいましたけど、どうか次の機会では! この不憫なフツメンにどうか光を!


イラスト内の二次元コード、ちゃんと読み込めるやんけ。芸が細かい。