まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『若返りの大賢者、大学生になる』感想

若返りの大賢者、大学生になる (角川スニーカー文庫)

若返りの大賢者、大学生になる (角川スニーカー文庫)

ストーリー
200年前に人魔大戦を終結させた大賢者・アーテルは、現代魔術を学ぶため、若返りの大魔術を敢行! 難なく試験を突破し、ラクスティア魔術大学に入学するのだが……いまや魔術はただの学問となり、娯楽や趣味として嗜まれる凋落ぶりで!?
「僭越ながら――私が真の“魔術”をお見せしよう」
教授に魔術対決で圧勝、調合の知識を活かしたカクテルで女子大生を虜に。さらに学園に封印された古の黒竜を呼び醒ましたりと、破天荒なキャンパスライフがアーテルを待っていた! どこまでも謙虚な最強賢者が、緩みきった魔術界の常識を打ち破る! 痛快“大”学園マジックファンタジー、ここに開幕!!

三百ウン歳の伝説の大賢者が魔術で若返って大学生に! 周囲のレベルの低さに気づかぬままときに謙虚にときに破天荒に大賢者が大暴れするファンタジーコメディ。
明らかに誰よりも魔術の腕が上なのに、世間から離れすぎていて自分ではそれに気づかず、周囲の残念講師やダメ大学生に尊敬の眼差しを送りつつも無双するというズレに面白みを感じる作品でした。


200年間山奥に引きこもっていた大賢者が突然若返って大学生になりました。
伝説の三大賢者の1人と称される彼・アーテル。平和になった現代の魔術師たちに当然少しも劣るはずもなく、そもそも大学で学ぶことなんてあるんだろうかという感じなのだけど、どうやら当人は大学や大学生というものを過信している様子。初日から勘違いのオンパレードですよ。ははぁ、こいつもしや、魔術師としては天才だけどわりとアホだな??
日常的に結構色々やらかしてくれるし空気読めないし、ていうか大賢者なのにうっかりエンドマーク打ちすぎだろ(笑)。
まあアホではありますが決して悪いやつではないですよ。むしろ誰よりも誠実ともいえる。自らにないものから謙虚に学ぼうという姿勢は大切ですわなあ。
あくまで謙虚に、あくまで真摯に、蔓延っているウェーイ系大学生の顔を片っ端から引き攣らせていくのがCOOLでした。


ソユリはヒロインとしてはかなり魅力的ではありますが、アーテルに惚れちゃったのが運の尽きといいますか。いかんせんヤツに恋愛を期待してもまるで無駄な気配しかしないので、あまり当てにしないでおきましょう……そもそもの年齢差だってあるし……。
一方、ニーアにはワンチャン有るんじゃないですかね! 正直アーテルとニーアとの関係性はかなり好みなんですけど。どうなんですかね。だめですか。この朴念仁では無理かな……。
三大賢者・イゾルデやマリウスの縁者たちに加え、どうやら魔族も紛れ込んでいるということで、密かに強者が集っていくこの感じはなかなかワクワクします。
無双もいいけれど、互いを認めあった強者と強者の大迫力魔術バトルももっと見たい。今後の展開に期待です。


イラストは一色さん。ソユリもルヴィエラちゃんも可愛く描かれていてよかったです。
爽やかイケメンふうなアーテルはちょっとムカつく(笑)。


僕の妄想の中ではイゾルデちゃんがいちばん可愛いので過去話も見たいぞ!