まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『ワキヤくんの主役理論2』感想

ワキヤくんの主役理論2 (MF文庫J)

ワキヤくんの主役理論2 (MF文庫J)

ストーリー
青春公園での一件の後、俺はこれまで通り、青春を目一杯楽しんでいた。学校で勝司たちと他愛も無い話をしたり、駅前にやたら良い雰囲気のおでん屋台を見つけて、店主の少女・赤垣此香と友人になってみたり。――しかし、日常は唐突に破られた。「我喜屋先輩は姉が好みではありませんか?」突如やってきた、叶の弟・望くん。彼の目的が全く解らないまま、何故か目の前でさなかとデートをすることに。しかし、さなかも何か思うところがあるようで……? 主役男と脇役女によるおかしな青春勝負、第2弾。今回はさなかが主役……!?

今回も未那と叶の全力すれ違いラブコメをニヤニヤ楽しもう! と思って読んだら、存外にさなかがヒロイン力を発揮してきた!
ま、まさか君、ヒロインだったのか……? てっきりかませ全開ルートかと思っていたのに(酷)。
しかしさなかもさなかで面倒くさい女の子ですね。あーもう、誰も彼もがしち面倒くさい。思春期だの青春だのってやつはこれだからよぉ!


2巻にしてすでに安定感さえ醸し出している未那と叶のコンビ。
同じ屋台にそれぞれ導かれて店内で遭遇しちゃうくらいに趣味が似通っているのに、顔を突き合わせては息ピッタリに口喧嘩しちゃうんだからもう。
心の底からくっついちゃえばいいのにと思うんだけれど、本人同士はわりとガチで嫌がっているのが笑える。永遠にやってなさいって感じ。
そんな両者の関係をちょっと動かしそうな叶の弟・望くん。まだちょろっと出てきて思わせぶりなことを言っていっただけですが、今後は彼がキーマンになりそう。


傍目から見れば面倒くさいことこの上ない未那も叶も、確固たる信念を持って人生を謳歌しようとしているというのは間違いないこと。
そして、そんなふたりの姿に一人ダメージを受ける少女・さなか。
別に彼女は凡人でもなんでもないと思うんですけど、自分がそう思っちゃうんだからしょうがないですわな。それに、輝いてる(ように見える)隣人にショックを受けちゃう気持ちは分かる。
そんな思い悩む彼女に対し、実際にアプローチをかけることのできる未那はやっぱり主役理論者だよなと思いつつ、なんだかんだで躊躇する彼の背中をさくっと叶が押しているあたりにまたニヤニヤさせてもらったのでした。
しかしこれ、主役理論の持ち主が増えたってことかい? さらに面倒くさくなること請け合いじゃないですかー! ぎゃー!


ぶっちゃけ、屋台でおでんのロマンも河川敷で雑炊のロマンもわかる……めっちゃわかるっ……。