まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

僕の地味な人生がクズ兄貴のせいでエロコメディになっている。

ストーリー
私立聖実館高校で教鞭をとるヘタレ教師・村埜良二。
彼は地味で根暗な性格のために生徒たちにナメられ、日陰な教師生活をおくっていた。
ところがある日の朝、目を覚ますと良二のベッドに一糸纏わぬ教え子の姿があって……。



27歳童貞ヘタレ教師の主人公が、死んだ兄貴に体を乗っ取られ、教え子ほか様々な女とベッドインしていく直球エロコメディ。
喧嘩の強さもセックスアピールも人間としての魅力もMAXな兄貴に完全に振り回された結果、活躍するのもいい思いをするのも全部兄の方で、ただただまじめな主人公が不憫すぎる……。
近寄ってくる女の子が軒並み兄貴とヤッちゃう(体は主人公だけど)というなかなかのネトラレ感、ちょっと興奮しますね……(暗い笑い)。


27歳の冴えない高校教師・村埜良二。彼がふと目を覚ますと、教え子の少女が全裸で横に寝ていた! なんてこった!
教え子との朝チュンから始まるとはとんでもないお話ですが、こんなことになった原因は先日亡くなった良二の兄・誠一でした。
良二の身体に取り憑いた誠一は、生前は名うてのヤクザでありプレイボーイで鳴らした男。近づく女性をことごとくいただいてしまう超クズ人間だったのです……。
いやあ、エグい設定ですね。主人公はあくまで良二だと思いたいんですけど、女の子とアレコレやるのも、身の回りの事件を解決するのも、全部兄貴の方なんですね。誠一が身体を乗っ取っている間、良二には意識がないし、気付くと全てが終わっている感じでなかなか辛いものがあります。
いやだって、童貞で冴えない自分がなぜか教え子の少女と仲良くなっていて、しかも知らないうちにヤッちゃっていて、それが全部プレイボーイの兄貴のせいだとなったら、なんだかすごく負けた気分じゃないですか……。相手の女の子たちからは、あくまで全部良二がやったことだと思われているのがまたキツい。なんて非リア充に優しくない物語なの。


この誠一という男、ヤッてることはクズそのものですが決して無理矢理ではなく、出会った女性が自分の意志で抱かれたいと思ってしまう、人間的な魅力に溢れた人物。
女の子の心にサラリと近付く巧みな話術に、時にはピンチに颯爽と駆けつけて助けてくれるヒーローっぷり。適度に危険でバイオレンスで、ああ、これはモテるわという感じ。
普段の良二がヘタレだから、もしかしたらそのギャップでやられちゃう子とかもいるかも。うう、つくづく良二が可哀想でなりません。
そんな良二ですが、今回のヒロインである不良少女・姫園雅琵の一件において、少しだけ格好良いところを見せてくれています。オラオラ系の兄とは違う、彼らしいまっすぐなところが現れていて、こういう主人公こそ恵まれてほしいと思うのですが……。
兄に乗っ取られて体を重ねた教え子の数はどんどん増えているものの、自覚的にはまだ童貞の良二。願わくは、今後彼自身の恋が実ってくれますように……。


イラストは成沢空さん。女の子たちがいちいちエロくて素晴らしかったです。
能乃のキャラデザが大好きなのでもっと登場して(抱かれて)ほしい!


いやあ、プリ●ュアの呪文は万能だなあ。