まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

最果てのパラディンII 獣の森の射手

最果てのパラディンII 獣の森の射手 (オーバーラップ文庫)

最果てのパラディンII 獣の森の射手 (オーバーラップ文庫)

ストーリー
ウィルが初めて接した人類社会の最果ては、魔獣が跋扈し、困窮する人々が暮らす無法の土地だった。
そんな人々を目の当たりにし、自分が力になれることを探そうとするウィル。
都市との流通や交易を活性化させるため、友人となったハーフエルフのメネルドールとともに北の都市へ向かうのだが……。



親たちからの庇護を離れ、旅の空の下への踏み出した青年が、仲間と出会い、魔獣を倒し、英雄となっていく姿を描いた第2弾。
1巻とは話がガラリと変わることが分かっていたのでどうなるかと思っていたのですが、順当に楽しく読めました。
ハーフエルフなのに粗雑な友人や、一見悪徳僧侶なのに実は有能な神殿長など、キャラ付けが単純じゃないあたりに面白みがあっていいですね。


死者の街を出たウィルが生まれて初めて出会った「人」は、ハーフエルフの青年・メネルドール。
村が魔獣に襲われて住人ごと食いっぱぐれ、山賊まがいになりそうだったところを、襲撃に鉢合わせたウィルさんがさらりとお片付け。
なんとなくは分かってましたけど、やっぱりウィルの戦闘能力はそんじょそこらの戦士とは比べ物になりませんね……。伝説の英雄たちとあれだけの特訓をこなしてきたんですものね。
ともかく、めでたくも最初の友人ですよ。(ハーフ)エルフというと高貴だったり物腰穏やかだったりするイメージですが、メネルドールは言動がざっくばらんだし、何かと雑なところのある人物。でもとても気のいいやつであることには違いなく、ウィルの戦いのサポートをするだけの力もある。
人生で最初に出会ったのがこれだけパーティメンバーに、いや相棒にピッタリな人物だというんだから、ウィルという男は本当に恵まれていますね。


最果ての村々を救うために赴いた都市で思わぬ勲功を上げ、聖騎士に任じられてしまったウィル。
頼りになる商人・トニオや、楽師の少女・ビィとも出会って、いよいよウィルの伝説がここから始まるのだとワクワクさせてくれますね。
とはいえ、どんな強さを誇っていても、人間関係に関してはまだまだひよっ子のウィル。何せ生まれてこのかた死者としか接してこなかったのだから当然なんですけど。
案の定というか、初めてできた友人・メネルドールとの間で思いっきり不器用なところを発揮してくれて、あちゃあという感じです。この不器用さもまた微笑ましいといえば微笑ましいのだけど、しかしメネルドールがいいやつで本当に良かったねと……。
早速派手な活躍を見せてくれたウィルとメネルドールですが、これからさらなる冒険と、さらなる強敵が待ち構えているはず! 次はどんな戦いを見せてくれるのか実に楽しみです。


女っ気の少ない物語なのでビィが可愛くて可愛くて仕方ない。