まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜結婚できたら大団円!〜

ストーリー
無事クロウと離婚してユナイアの孤児院へと戻ったフェル。
大商路建設に関わる職を国王からもらい、エルラントとの架け橋になるべく働いていた。
仕事の出張のため異国に渡ったフェルは、出張先でクロウと再会を果たすのだが……。



「離婚」で統一されてきたサブタイトルが「結婚」に! ということでシリーズを締めくくる大団円の1冊。
離婚して再び会うことのない身分になっても、交換した香水をつけてお互いのことを思い出すとかロマンチックすぎて最高でしょ……。
クロウの重ね重ねの求婚をばさばさ切っていくフェルさんは最後までイケメンでした。この(元)花嫁、難攻不落すぎる!


クロウのことを想いながらも、「シレイネ」である立場のけじめのために離婚することを選んだフェル。
ユナイアへ戻ってまた怒涛の勤労生活かと思えば、セタンタ国王に願い出て就いた職は元夫の計画した大商路建設に関わるお仕事とか……。遠くから想い人の夢を密かに支える健気さに涙が出ちゃう。なんてよくできた(元)嫁なの。
お別れのときに香水を交換して、それをつけることでお互いのことを思い出そうというクロウのアイディア、乙女か! と思いつつぐっときちゃいました。匂いは一番記憶に残るといいますものね。しかし匂いの交換ってなんかエロいよね……。


出張先の異国で1年越しの再会を果たしたフェルとクロウ。
「シレイネ」とは離婚したけれど、「フェル」とは離婚してないぞ……などという理屈を色々こねて猛アタックを仕掛ける(元)旦那さま。
しかし皇子様からどれだけ求婚されてもはっきり「NO」を突き付けていくのがフェルというヒロインなのです。なんて難儀な!
好きならくっついちゃえばいいのに、とも思いつつ、フェルの気持ちも分からなくはないんですけどね。でもやっぱりじれったいもんはじれったいのだ!
そんな風に(元)夫婦がいちゃついている脇で、因縁の相手が暗躍したりもしていましたが、やはりここでもフェルが大活躍。思えば、このフェルの格好良さに惚れ込んで今作を追いかけることを決めたのでしたね……。感慨深いです。
強情に意地を張り続けたフェルがどのようにして折れるのか。満を持しての瞬間はイラスト含め必見です。ああ、本当に毎巻が楽しいシリーズでした! 後日談も楽しみにしています。


フェルを溺愛するシレイネ……を溺愛するセタンタ、という構図が好き。複雑な家庭環境。