まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

押しかけ軍師と獅子の戦乙女

ストーリー
明津国の武家に生まれたクロウは、武力偏重の故郷を離れ、異郷の地エルトレス王国に辿り着く。
そこで彼は、若くして騎士団長となった女騎士クラヴェリーナと出会い、軍師として押しかけることに。
はじめは不審者扱いされたクロウだが、その知略で盗賊をたやすく討伐したことで騎士団に雇われることとなり……。



騎士の国の女騎士団長に一目惚れした異国の男が軍師として押しかけてくるファンタジー戦記。
最初は不審がられながらも徐々に才能の片鱗を見せていく主人公と、彼を次第に認めていく女騎士&従者の少女の関係がいいですね。
クラヴェリーナ団長は確かに魅力的ですが、個人的には従者リフィとくっついてほしいかも!


伯爵家令嬢にして女騎士のクラヴェリーナが率いる黄金獅子騎士団。
団長就任後の初陣となる盗賊討伐で意外な苦戦を強いられていた彼女のもとに、東の国からやってきた謎の青年・クロウが軍師として使ってくれと押しかけてきます。
長年戦乱がなく、戦いに慣れていないエルトレス王国に比べ、クロウのいた明津国は近年まで戦国時代。彼は祖国で学んだ軍略を用いて、山賊たちを蹴散らしてみせるのでした……。
ということで戦記ものなんですが、今作は主人公の軍師が異国の人間ということでちょっとした新鮮味が。
誇り高き騎士の国にいきなりやってきた黒髪で片言の男が、団長に一目惚れしたから軍師にしてくださいと言ってくる……。これは確かに不審者以外の何者でもないですわ。
どんな知略があろうと、使ってくれる人がいなければ無意味なのが軍師というもの。たまたま出会って一目惚れした女騎士が、初めこそ不審者扱いしたとはいえ、最終的には自分を用いてくれる器の大きな人物だったことは大きな幸運といえるでしょう。運命の出会いというやつですな。


エルトレス王国の「第一の騎士」を目指すクラヴェリーナですが、その前途はなかなかに多難。
貴族令嬢である出自のせいで部下たちから偏見を受けたり、実家の伯爵家からちょっかいを出されたり。
どうやらクロウの力は、戦場だけに留まらず、クラヴェリーナのことをどう盛り立てていくかという戦略にも発揮されていきそうですね。
しかしこの主従、どうも目線がズレているというか、クロウはクラヴェリーナしか見ていないのにクラヴェリーナはどこか遠くの方を見ている感じで、どうもくっつくような気がしない。
むしろクラヴェリーナの従者でクロウの世話役であるリフィの方が、クロウのことを胡散臭く思いつつもよく見ているように思えて、こちらがメインヒロインなんじゃないかとも。しっかりラッキースケベイベントもあったしね!
ともかく、騎士クラヴェリーナと軍師クロウの物語は始まったばかり。何やら王国全体に黒雲流れる中、次はどんな知略を見せてくれるのか、楽しみなところです。


イラストは黒獅子さん。なかなか雰囲気の出ている表紙でいいですね。
ドレス姿のクラヴェリーナも素敵でした。


しかしリフィの服装はどうしてセーラー服なんだろう……?