まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

アサシンズプライド3 暗殺教師と運命法廷

ストーリー
一年間の指導の集大成として、メリダに進級試験を課すクーファ。
メリダは気負いながらもエリーゼと共に試験の場である図書館迷宮ビブリアゴートへと赴く。
しかし迷宮には悪意ある者たちによる罠が仕掛けられていて……。



クーファと共に過ごした1年の集大成として、巨大図書館ダンジョンに挑むメリダたちの姿を描く第3弾。
メリダの成長が存分に見られて満足の1冊。毎回きちんと盛り上がりを見せつつもお話をしっかりまとめてくるところに作者の確かな力量を感じますね。
クーファの最強っぷりはもちろん格好良いのだけれど、今回はマディアも活躍を見せてくれていて、なかなかおいしい立ち位置でした。


前巻でのルナ・リュミエール選抜戦出場などでその成長を皆に知られるようになったメリダ
しかしそれは同時に、彼女の位階が「パラディン」ではなく「サムライ」なのだということを、人々に気付かれやすくなったということでもあります。
そのようにしてメリダの位階を知った貴族の集団が今回の敵。ああ、どんなに強くなってみせても、結局はメリダのことを生まれでしか見ることのできない輩が次々に出てくるだけで、ほんと嫌になってしまいますね……。
とはいえ、どんな悪意に晒されてもクーファのことを信じて戦えるのがメリダのいいところ。エリーゼとともに襲いくるピンチをくぐり抜けていく彼女の姿は、とても「無能才女」などと呼ばれていた女の子とは思えないくらい格好良くて素敵でした。


メリダエリーゼが奮闘する中、同時に襲撃された他の登場人物たちもそれぞれの活躍を見せてくれます。
まず隠れた強さを存分に披露してくれたのがなんと学院長先生! 凶悪かつ強力な敵幹部を相手に、老体に鞭打って、傷だらけになりながらも生徒たちを守ってみせるその姿……まさに指導者の鑑。予想外の戦いぶりに惚れぼれしてしまいました。
それから、前回は襲撃者の側だったマディアが今度は学院の救世主として参上。クーファがいない中での学院の危機をクールに救ってくれましたね。
そしてもちろん最後は彼の番ですよ。守ると決めた少女のために自分の全てを尽くすクーファは、ちょっとずるいくらいに格好良い。
囚われのお姫様へのお約束までちゃっかり決めてくれて、もう完璧ですわ。ごちそうさまでした。
さて、ひとまずの窮地は脱したけれど、メリダを付け狙う黒幕は未だ健在。今後も激化していくだろう敵の攻勢に、クーファたちはどう立ち向かっていくのでしょうか。メリダの更なる成長とともに、期待して続巻を待ちたいと思います。


エリーゼさんは完全に百合方面に目覚めてしまったのかな(素晴らしいと思います)。