まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ストライクフォール

ストーリー
人型のシェルを身にまとい、広大な宇宙を駆けるチーム競技、ストライクフォール。
鷹森雄星は、幼なじみの環に見守られながら宇宙を目指す高校生。
そして雄星の弟・秀俊は、トップリーグでプロデビューが決まった若き天才だった……。



宇宙を舞台にしたチームロボットバトル「ストライクフォール」で夢を叶えるため飛ぶ兄弟と、その幼なじみの少女が織りなすスペースアクション。
世界中から注目を浴びる天才の弟と、弟の影に隠れて伸び悩む兄。ふたりをずっと見守ってきた幼なじみのヒロインがいい味出してますね。
変に関係がねじ曲がってしまった兄弟が、空で再び絆を取り戻していく展開にグッとくる、のですが……。


宇宙における戦争の技術がスポーツ「ストライクフォール」となって世界中の人々を熱狂させている近未来の世界。
主人公・雄星は、ストライクフォールのプロを目指しユースのチームで特訓中の高校生。そして彼の弟・秀俊は、すでにプロチームの一軍でのデビューが決まっている若き天才プレイヤー。
圧倒的な才能の煌めきを持つ弟に対し、兄は射撃の腕前がひどく、久しぶりに帰ってきた弟との模擬戦でも全敗の有様……。
いやあ、辛いですね。兄として、弟や、ふたりの幼なじみの少女・環にいいところを見せたいのはやまやまなんだけれど、弟があまりに出来すぎて、追いかけられなくて、自分が情けなくて。しかも、帰ってきた自慢の弟が、自分とずっと一緒にいた環に告白なんてしちゃうもんだから、そっちの方でも焦ってしまう。
序盤は特に、天才の弟を持つ雄星の焦燥感が強く強く伝わってきて、落ち着かない展開が続きました……。


秀俊のチームメイト・アデーレとの特訓の機会を得て、秀俊とも再戦し、兄を待ち続けていた弟の思いを知った雄星。
弟は、ひとりで先に行ってしまったのではなかった。ずっと自分のことを待ってくれていた。不器用な兄弟ではありますが、真剣勝負の中でようやく確かめ合うことができたふたりの絆に、熱いものを感じました。
ストライクフォールの試合描写は、実にスピード感に溢れていて迫力満点。
地球上空でのバトルも良かったけれど、やっぱり宇宙での無重力バトルが素晴らしかったです。何千キロという空間をフルスピードで飛び交い、相対速度を計算し、一瞬のすれ違いで攻防する。これぞスペースロマンというもの!
しかし、科学技術がいくら発達しても、未だ宇宙とは危険と隣り合わせの場所でもあります。
大きな悲しみがありました。意地だけで栄光を手にしました。問題はこれからです。1巻から波乱続きだった彼らの物語がどこへゆくのか、この目でしっかと確かめたいと思います。次巻が待ち遠しい。


イラストは筑波マサヒロさん。ストライクシェルがカッコいいですね。
もっと試合でのストライクシェルのイラストもたくさん見たいです!


申し訳ないがアデーレ派だ……いやだってめっちゃ可愛くないですか?