まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ロクでなし魔術講師と禁忌教典6

ストーリー
講師の義務である魔術論文の執筆を全くしておらず、学院長からクビを宣告されかけたグレン。
クビを回避するには自腹での古代遺跡の調査が必要とのことで、グレンは節約のため、調査スタッフに自分のクラスの生徒を利用することに。
なんとか人数が集まってくれ、遺跡へと向かう一同だったが……。



生徒たちとともにおこなう古代遺跡の調査の流れから、シリーズ最大の謎人物・セリカの過去に迫る冒険回。
前巻の短編集に引き続き、グレンとセリカの家族の絆を強く描いたお話でした。
他のキャラクターも、なんだかんだで遺跡調査についてきてくれる生徒たちにはグッときたし、中でもシスティ、ルミア、リィエルの活躍ぶりは素晴らしかったですね。


講師として頑張ることを決意した矢先、クビの危機が迫ってくる残念さ加減はさすがのグレンさん。
学院の近所にある古代遺跡の調査をおこない、論文を執筆すればクビは回避ということで、経費削減のため自分のクラスの生徒を何人か引き連れて遺跡調査へと赴くことに。
グレンの思惑はともかくとして、Fクラスの安全な遺跡とはいえ、なかなか経験できない遺跡調査。グレンに呆れつつも、わりと積極的に参加者が集まってきたあたりに、少しずつ生徒たちとの距離が縮まってきたのを感じて嬉しくなりました。
中でも一番参加したがったのは他でもないシスティーナ! 古代遺跡オタクの彼女は真っ先に声を上げる……かと思いきや、妙な嫉妬心や素直になれない気持ちから全然言い出せなくって、ただ真っ赤になるばかりでまたエラく可愛いなおい!
今回はどうも、ルミアたち他の生徒へのグレンの信頼っぷりにシスティーナが嫉妬する描写がやたら多くてニヤニヤが捗りました。順調にデレが進行しているな……。


そんな調査隊の中になぜか紛れ込んできた、世界最強の魔術師セリカ
Fクラスの遺跡調査には過ぎた戦力すぎる、と思いきや、その遺跡が謎に満ちたセリカの「使命」に関わっていようとはね……。
危険度を遥かに増した遺跡深部。自ら志願したシスティーナ、ルミア、リィエルとともに、「家族」であるセリカを救いに潜り込んでいくグレン。いつもセリカのことを煙たがっているようなグレンですが、本音では彼女を心底大切に思っているのだということが強く伝わってきました。
自分たちより格上のモンスターを相手に、3人の連携でそれを打ち倒していくシスティーナたちの成長ぶりも見事。前衛・後衛・支援と、地味にバランスの取れたパーティーなんですよね、この3人。貴重なセリカの本気も見られたし、今回もバトルでは大満足です。
さて、シリーズの根幹に関わる謎に触れたような気もするけれど、結局何も分かっていないような気もする、そんな巻になりました。
次はさらにこの謎を掘り下げていくのか、はたまたお祭りみたいな楽しい巻になるのか、個人的にはシスティーナとのイチャイチャが見たいわけですが、どう転ぶにしても続きが楽しみです。


ウェンディ回とか……ないか。システィーナの次に好きなんだけど。