まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

東京侵域:クローズドエデン 03.人類の敵 vs 人類の敵

ストーリー
決死の“東京”侵入で、“ハーメルン”への手掛かりと貴重な“スポット”を失った蓮次たち。
叶方は最後の手段として、人気アイドルKANATAの立場を利用し救務庁へ潜入する。
しかし“奪還派”の起こしたクーデターに巻き込まれてしまい……。



ハーメルンの手掛かりとスポットを失ってしまったレンとカナが、再度クリティカル・エリアに侵入するためにそれぞれ死力を尽くす第3弾。
今回はクリティカル・エリアではなく、人間世界での救務庁との戦いがメインとして描かれました。
離れ離れになっていても、お互いのことを信じて最善を尽くす……そんなふたりの姿が最高に熱かったです。


前回、囚われた人々の一部を解放するという偉業を達成したものの、その代償としてスポットを失い、ハーメルンの手掛かりもなくしてしまったレンとカナ。
そこでカナは、自らの表の顔であるアイドルKANATAの立場を使い、情報を求めて敵地・救務庁へ。
一方のレンは、利用できるスポットを求めて街中の捜索へ。
人間世界ではありますが、それぞれ仲間のいない単独任務。さらには、カナだけでなくレンにも迫る救務庁の影。
EOMほど怖い相手ではないかもしれないけれど……周りが全て敵という中でのギリギリの攻防に、手に汗握りっぱなしでした。


救務庁の中で、まさかの相手と再会するカナ。ただでは済まないだろうとは思っていましたが、待っていたのは予想を超える修羅場でしたね!
敵に囲まれた袋のネズミ状態での一時的な共闘と裏切りと。さすがは頭脳担当というべきか、敵側の人間関係まで読んだ上でのカナの計略には震えました。
カナが決死で手に入れた情報。それを活用できるのは、もちろん相棒・レンだけです。
救務庁どころか日本中を敵に回し、戦っては逃げ、逃げては戦い、目指す目的に向けてただひたすら駆けるレン……。この終盤のスピード感は、圧巻という他ありませんでした。
戦果を挙げ、帰ってきたレンの元には、思わぬ訪問者が。カナの代わりにはもちろんなりませんが、隣に誰かがいるのは心強いもの。これからただひとりで戦うことになるであろうレンの、心の支えになってくれるとよいのですが。
ああ、それにしても続きが気になります! ここで終わってしまうなんてありえないでしょ! 頼むから続いてください、お願いします……!


しかし翔一兄さんの小物感よ……。