まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ようこそ実力至上主義の教室へ4

ストーリー
夏休みを利用した特別試験は、後半戦となる豪華客船でのグループ戦へ。
その試験内容は全クラスの生徒を12のグループに分け、各グループに存在する『優待者』を見つけるというもの。
綾小路が分けられたグループには、クラスのトップカースト女子・軽井沢恵も入っていて……。



毎巻着実に面白くなってきていて、今かなり期待度が高い本シリーズ。
今回はクラスを混ぜたグループごとに行う協力と裏切りのゲームがテーマ。
一ノ瀬や軽井沢といった、今までとはまた雰囲気の違ったメンバーたちでのゲームは新鮮で楽しいですね。


夏休み特別試験の後半戦は、AからDの4クラスをバラバラにして12のグループに分け、各グループの中に潜んでいる『優待者』を発見するというもの。
違うクラス同士で協力して仲良くポイントをもらうのか、それとも周囲を出し抜いて自分のクラスだけに利益をもたらすのか。
クラスで固まっておこなってきたこれまでの試験とは異なり、グループ内での裏切りが考えられるため、より頭脳戦らしさが出てきました。
ということで、今回は堀北や櫛田の出番は少なめ。その代わりに綾小路と同グループになった一ノ瀬や軽井沢がメインで描かれました。
いやあ、一ノ瀬のことはずっと気になっていたんですよ。綾小路たちにも明るく話しかけてくるようなムードメーカーでありながら、Bクラスのトップを張るだけはある思慮深さも兼ね備えていて、今作中随一の魅力を放つキャラクターだと思います。


しかし、今回のキーとなるのは一ノ瀬ではなく、軽井沢の方でした。
Dクラスの女子1位で、いつも傍若無人に振舞ってきた彼女。
そんな彼女が必死で隠してきたこと……。他人の過去や弱みを暴き、そこにつけ込んで協力者となってもらう。まったくもってゲスなやり方で、このあたりはさすが綾小路さんといったところです。
こうしてみると、軽井沢のこともなんだか可愛く思えてきましたね。今後も綾小路にいいように利用されてしまうんでしょうか……。
さて、特別試験を切り抜けたものの、にわかに立ち込める暗雲。目下の大敵は龍園です。綾小路以上にゲス極まりない、しかし堀北にも分からない何かを持っている彼を相手に、Dクラスがどう立ちまわっていくのか……次巻も実に楽しみですね。


もはや佐倉が唯一の癒やし。