まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

俺たち!! きゅぴきゅぴ♥Qピッツ!!

ストーリー
高校入学早々、ある女子生徒に一目惚れをした陽方朝道は、勇気を出して告白するも見事に玉砕。
失恋に泣く彼の前に現れたのは、高校生たちの恋愛を捜査し解決に導く集団・恋愛警察『Qピッツ』だった。
なぜかQピッツに加入することになった朝道は、そのボスが想い人・香澄であることを知るのだが……。



第22回電撃小説大賞電撃文庫MAGAZINE賞>受賞作品。
高校生たちの恋を(勝手に)調査し(勝手に)応援する理不尽な恋愛警察たちの戦いを描いた恋愛コメディ!
設定といい、ノリと勢いのストーリーといい、全体的にアホだ! しかしそれがいい!
主人公じゃなくモブキャラの女の子の恋を1巻まるごとで応援するというのは、なかなか新鮮な気分でした。


入学早々女の子に告白し、盛大に散った主人公・朝道。その告白っぷりを買われて勧誘されたのは、高校生たちの秘めた想いを調査し告白へと導く校内最大の諜報機関・恋愛警察「Qピッツ」だった!
朝道の想い人であるボス・香澄先輩を筆頭に、多くの男子を恋に落としてきたハーフ巨乳美少女の「パパイヤ」鈴木、常に赤スカーフを巻いている「ファッション」島村、小柄な外見に似合わず物凄い低音ボイスで喋る「バリトン」青柳、そして日本史を教える中年教師「ゴンさん」権田……とんでもなく濃いメンバーとの恋愛調査が幕を開ける……ってなんだそりゃ!
早くもツッコミどころ満載ですが、このおバカなノリがとにかく楽しい。なんで四十代のオッサン教師が生徒会長の部下なのか意味がわからないけど楽しいです。


今回Qピッツが捜査する事件は、新入生のあるクラスのマドンナ・内気な真田由希子ちゃんが秘めた恋。
そこに恋の可能性を見つけたら、本人の意志も完全無視してその恋を調べあげ、無茶なやり方で告白まで持っていく……Qピッツ、なんてハタ迷惑な集団なんだ……!
Qピッツの破天荒な捜査に戸惑ってツッコミまくるのが主人公の役どころ、かと思いきや、彼は彼でボスへの恋に未練タラタラで、少しでも繋がる機会を得るためにむしろQピッツの活動にやる気満々なんだから笑えてきます。会議中に香澄の姿を見てずっと大号泣してる朝道さん、すごい気持ち悪い! ギター片手に自作の歌を披露する告白の仕方も最悪に気持ち悪かった! なんだこの主人公!
Qピッツ、なかなか厄介な集団ではありますが、高校生の恋を応援したいというみんなの気持ちだけは本物です。告白できずに終わる恋より、告白して終わった恋の方がいい……その哲学のもと、一致団結して真田さんの恋を応援する彼らの姿はどこか清々しく見えました。まあ方法はハチャメチャなんですけど。
朝道の恋はしばらく叶いそうにはありませんが、とりあえずパパイヤが可愛すぎるのでいいんじゃないでしょうか。むしろパパイヤに行けばいいと思います。香澄を差し置いてなぜか表紙だしね! そんな感じで次巻に期待。


イラストはddalさん。なんといってもパパイヤが最高にエロ可愛い!
あと予想以上にゴンさんのイラストが多くて笑いました。


「恋せよ♥漢」の歌詞、正直ちょっと好き……。