まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

オレと彼女の萌えよペン 増刊号

ストーリー
茉莉と泉の漫画が雑誌企画でグランプリを取り、連載を始めてから2年。
まさかのアニメ化も決定し、泉はその記念にと、茉莉をデートに誘う。
泉の運転する車で横浜の赤レンガ倉庫までやってきた泉と茉莉だが……。



本当のシリーズ最終巻となる短編集。ああ、終わっちゃったなあ。
短編ごとに時系列が違うので、泉と茉莉の距離感も少しずつ違っていて、色んなふたりの姿を見ることができてよかったです。
後日談も、短いお話ではあったけれど、ちゃんとここまで描いてくれて嬉しい。最後までニヤニヤさせてくれました。


収録された短編は6本。短編によって茉莉の呼び方が「生駒先生」だったり「茉莉ちゃん」だったり「茉莉」だったりして、それだけでなんかもう色々思い出しちゃってニヤニヤする!
1話目はふたりがコンビを組んだ直後のお話ですね。「バトル」と「萌え」を両方組み込んだ漫画を描くために、お互いにプロットを見せあったり、漫画喫茶で他作品を研究したりするのですが……。
相変わらず茉莉の「萌え」は偏りまくっていて、特にツンデレヒロインに対してやたら攻撃的で、読んでいる方としてはなかなか微妙な心境(笑)。まさに貴女みたいなヒロインのことなんですけどねえ!
泉も、ツンデレはあまり理解できていなかったようだけれど、茉莉を見てその良さに気付くとか……なんて贅沢な萌えの学び方なんだよ……。
3話目は、泉と茉莉がロリヒロインの魅力を知るためにみなせの教えを受けるお話。
茉莉のようなお姉さん好きに、いくらロリヒロインを勧めてもしょうがないと思うのですが……。みなせの教え方がまた尖りすぎてて、どんどん大変な事態に進んでいくのが笑える短編でした。
そして、ロリの良さをまたもリアルの知り合いで学ぶとか! 泉の周りのヒロイン力が高すぎる!


6話目の後日談は、5巻の終わりから2年が経過してふたりが大学生になってからのエピソード。
たぶん初めて? 茉莉視点で描かれるお話でしたが、これはこれでまた違った味わいがあっていいですね……!
カップルになってもあの頃とそれほど変わらない、でもお互いへ向ける視線がどこか優しい、そんなふたりの姿にほっこりしました。
漫画家としても、カップルとしても、ひとまずは成功したといっていいと思うけれど、ふたりの物語はきっとまだまだ序盤。これからも色んなことが待ち受けているのでしょうが、どうかとびっきりの幸せが訪れますように。
6巻という短めの作品でしたけど、読んでいてずっと楽しい素敵なラブコメでした。前作の続きも、次回作も、期待して待っています。


ジュニアアイドルのDVDに手を出す現役女子高生みなせさん凄すぎるでしょ……。