まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

マグダラで眠れVIII

ストーリー
“白き者”たちが起こした大爆発により一夜で滅んだという旧アッバスへと辿りついたクースラたち。
空からやってきたという“白き者”たちの伝承の真相を明らかにすることで、クースラは彼らの行方を探ろうとする。
火の薬や太陽の欠片を用いての仲間たちとの試行錯誤の中、フェネシスがとある発見をして……。



白き者たちの空飛ぶ伝説を再現せよ! これまで色んな実験を繰り返してきたクースラたちですが、遂に空を飛ぶことに挑戦ですよ。
すっかり錬金術師見習いが板についてきたフェネシスですけど、まさかこんな発見をしてのけるなんて。さすが「相棒」といったところ。
もはや恒例となったイチャイチャもたっぷりでした。クースラさんったら、フェネシスと一緒に布団にくるまるの好きすぎでしょ……。


白き者たちの足取りを追い、そして騎士団に追われながら、白き者たちによって滅ぼされたという旧アッバスまでやってきた一行。
今回錬金術師たちが狙うのは、いよいよ空を飛ぶ伝説の再現! 火の薬や、太陽の欠片と硫黄から作る強力な酸……硫酸などを使い、なんとか人間を空に浮かべようとする実験の数々に胸が踊ります。
実験にのめり込む一方で、みんなで雪合戦に興じる子どものような一幕も。フェネシスの手にかかれば、実験で頭がいっぱいのクースラも遊びに引き入れることなんて簡単なもの。これが惚れた男の弱みってやつよのう……。
このふたり、これまでも散々イチャイチャしてましたけど、もう息をするようにイチャイチャするようになってますよ! 人前でも気にせず抱きつきまくってますよ! 研ぎ澄ましたナイフのようだったあの頃のクースラ氏は一体どこへ行ってしまったのだ……(笑)。


もちろん、実験は実験で真面目にとりかかってこその錬金術師。
てっきりまたクースラかウェランドが何かを発見するもんだとばかり思っていたので、フェネシスがやり遂げたのには驚きました。クースラから見ればまだ錬金術師「見習い」かもしれないけれど、彼女も立派な戦力となるまでに成長したのですね。感慨深いなあ。
現代でこそ、ごく簡単な化学反応式1本で説明できてしまう現象ではあるけれど、何もヒントのない中からこういった奇跡のような発見をしていくのは、夢のある作業だなあと改めて思います。今回はなおさらね、空を飛ぶなんて何よりロマンに溢れているじゃないですか!
さて、さらなる新たな発見もあって、教会と戦うための武器が手に入るかもしれない……なんてところにまでやってきた錬金術師たち。
なかなかスケールの大きな話になってきましたが、まあそれはそれとして、次回も彼ららしく、地味でも楽しい実験の数々を見せてくれればと思います。もちろんイチャイチャもね!


実験は爆発だ(物理的な意味で)。