まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

戦闘医師 野口英雄

戦闘医師 野口英雄 (HJ文庫)

戦闘医師 野口英雄 (HJ文庫)

ストーリー
世界各国で猛威を振るう異形・病魔を相手に異能で戦う戦闘医師。
Bランク戦闘医師の少年・野口英雄は、アフリカでの大戦中に上層部の命令を無視して人々を救った結果、最低ランクへと永久降格させられてしまう。
日本へ戻った英雄は対病魔の新チームを結成し、再出発を図るのだった……。



異能を用いて「病魔」を倒す戦闘医師たちを描いたドクターバトルアクション。
世界の医師を統括する組織に睨まれてランクダウンさせられたけれど、世界でも屈指の実力を誇る主人公という設定が燃えますね。
主人公が結成した新チームのメンバーもそれぞれ魅力的でした。特にヒロイン陣は甲乙つけがたい!


増殖を繰り返しては人々に害なす怪物、病魔。そんな病魔たちを相手に戦う力を持つのが戦闘医師。
主人公の英雄は、かつてアフリカで人々を救うために戦闘医師の統括組織「世界保健維持軍(WHF)」の指示を無視、非合法な手を用いて物資を入手……等した結果、戦闘医師として最低ランクのEランクへと永久に格下げされることに。
ランクが低ければ活動範囲も制限されるため、アフリカにいられなくなった英雄は、日本で少数精鋭の新チームを結成、チーム単位でのランクアップを狙い動きはじめるのでした。
まずなんといっても、英雄の設定が熱い。WHFに逆らったために格下げされて、公的には評価されていないけれど、現地の人々や真に実力のある医師たちは、彼こそがヒーローだと口を揃える……。グッとくるじゃないですか、なんというか、中二的に!
やっぱりね、英雄自身もカッコいいんですよ。火傷で麻痺した左手に宿る異能《黄熱病》の炎で病魔を殲滅する圧倒的火力。純粋に人を救おうとする固い意志。妙にカッコつけしいなところは鼻につくけれど、そこはまあ、17歳の少年だし、ということで。


WHFに睨まれたら困るからと、積極的に英雄に近づこうとする人物がほとんどいない中、彼の作った医猟チーム「HOUNDDOC」に集まったメンバーは、本当に英雄のことを信じる者ばかり。
水を操るサバサバ系少女・カナエ、魔法の弾丸「ペニシリン」をリボルバーに込めて病魔を撃つ青年・益二郎、そしてチームのマスコット的存在であり、とある極秘の異能を持った少女・メリー。
たった4人ながら、それぞれ一流。そんな彼らが、WHFの作った戦闘医師の常識をぶっ壊しながら、華麗に人々を救っていく……そんな今後の展開に期待大です。
恋愛方面では、日常的に英雄に求愛しまくるメリーを筆頭に、日本戦闘医師会が誇るSランク・雷華や、世界に名を知られたSランクにして初めは英雄を憎んでいた少女・アルベルティーナなど、どのヒロインも可愛くて迷ってしまいます。
個人的には雷華との「あの夜」のことが気になるし、メリーはもう純粋に愛おしいって感じなんですが、ここは敢えてアルルを推したいかなとも……。ともあれ、次巻が楽しみですね。


イラストは黒衛もんさん。女の子は可愛く、男は格好良いイラストでよかったです。
特に益二郎がすごいイケメン!


野口、大村、北里、シュヴァイツァー……あとドリトルと華佗まではなんとか分かった。