まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ようこそ実力至上主義の教室へ3

ストーリー
期末テストを乗り越え夏休みを迎えた生徒たちに学校が用意していたのは、豪華客船によるクルージングの旅だった。
喜ぶ面々だったが、船は無人島に到着し、特別試験としてクラスでの1週間のサバイバルが通達される。
生活物資は試験用に与えられたポイントで購入可能だが、残ったポイントは2学期からの学校生活にプラスされるらしく……。



高度育成高等学校での夏休み合宿は、無人島でのクラス対抗サバイバル!
いやー面白かったです。試験の結果でああだこうだやってるより、ずっとワクワクする内容でした。まあ旅行回ですしね……一応。
生徒たちも今までになく色んな姿を見せてくれて、特に男女のいがみ合いとか、やたら生々しくてうんざりでした(笑)。


夏休み旅行のクルージングと称して学校に連れてこられたのは、1週間の無人島サバイバル試験合宿。
試験用の300ポイントで食料や必要物資や遊び道具まで購入することができるけれど、終了時に余ったポイントは2学期からのクラスポイントに加算されるということで、巻き返しを狙うDクラスにとっては大チャンス。
と、喜び勇んで男子どもは節約生活を主張しはじめるわけですが、当然というべきか、女子からまったがかかります。
まあ、最低限のものは支給されているとはいえ、さすがにトイレとかシャワーはね。篠原たちの言い分もわかる。
ただその他にも、テントを女子専用にしてしまったり、川の水を嫌がったり、ちょっと「女子」を盾にしてワガママ言いすぎかなという部分もあって、男子と女子が一緒にサバイバルするのってめちゃくちゃ難しいなと思わされました。
過剰な節約をしたがる男子は極端すぎると思うんですが、うーん、私が男だからでしょうか、どちらかというと女子サイドに「めんどくさい……」と感じることが多かったです。きっと女性からすれば逆なのでしょう……根は深いね!


男子と女子の板挟みにあって苦しい立場のクラス代表イケメン・平田。
そんな彼に追い打ちをかけるように、下着泥棒や放火といった事件までが起こってしまいます。さらには、秘密主義を貫くAクラスや、明らかに妙な作戦に出ているCクラスなど、他クラスの陰謀までが次々と。
いやほんと、平田が超苦労人すぎてただひたすらに応援したくなってきますね。他にも、男子では池たち、女子では軽井沢や篠原など、声の大きい存在はいるものの、向いている方向がそれぞれバラバラだから、結局平田が全部背負い込むことになってしまっています。
しかも、肝心の堀北は協調性のなさが響いてほぼ使いものにならないときた! じゃあもう、綾小路が裏から動かすしかありません。
他クラスはおろか、Dクラスの他の誰からも気づかれないうちに、他のクラスの攻撃を見破って逆手に取り、最後の最後で華麗にひっくり返してみせる綾小路さんめっちゃかっけーっす! やり口はかなり怖いけど!
主人公の密かな活躍でまた窮地を脱し、さらには追い上げてみせたDクラス。2学期は果たしてどんな下克上を披露してくれるのか、次巻が楽しみでなりません。


もはや佐倉が唯一の癒やしだ……。