まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

非オタの彼女が俺の持ってるエロゲに興味津々なんだが……

ストーリー
高校1年生ながらエロゲを愛してやまない小田桐一真
ある日彼は、全校男子の憧れの的のクラスメイト・水崎萌香からいきなり告白を受けて付き合うことに。
しかも一真の理想のヒロインを知るため、エロゲをやってみたいと切り出されて……。



第28回ファンタジア大賞<金賞>受賞作品。エロゲオタクな主人公と学園一のミステリアス美少女が織り成すイチャイチャ青春恋愛ストーリー。
優等生で高嶺の花な美少女が、地味で平凡でしかもエロゲ好きの主人公にいきなり告白! しかも大好きな彼のためならとエロゲのシチュエーションを次々に再現! なんだこの男に都合の良すぎるヒロインは! けしからん! 嘆かわしい! 最高かよ……!
とにかく突き抜けたヒロインの可愛さと、意外なくらいに清々しいラストが魅力的な作品でした。


高校1年の夏休み明け。隠れエロゲオタクの一真は、放課後に痴漢モノのエロゲを持っている姿を萌香に見られるという大事故を起こしてしまい、そしてそのまま「カノジョにしてほしい」と告白されます……あれ? おかしいな、どこをどう見ても告白される流れじゃないぞ……?
しかもその萌香ときたら、あまりに美しくて品行方正なために、誰かと会話している場面さえほとんど見たことがないほどのクールビューティー。そんな女の子が、なんで冴えないエロゲオタクなんかに? などという疑問を華麗に置き去りにしつつ、早速お付き合いを始めることになるのでした。
いざ彼女になった萌香は、一真が好きなもののことを知りたいからと一緒にエロゲをしようと誘ってみたり、エロゲヒロインのマネをしていきなり制服をはだけてみたり、スカートを短くしてみたり、一真お気に入りの紐パンを穿いてきてみたり!
やってることだけ見るとただの痴女なんですが、本人は至って真面目に、しかも恥ずかしがりながらなもんだから、そのちょっと無理しつつも、一真のためになんでもしてくれる感じが、もう可愛くて愛おしくて仕方ないのです。こんなのオタクの理想そのものでしょ……。


初めこそ謎だらけだった萌香も、毎日一緒にエロゲをしたり、デートを繰り返したりしていく内に、だんだん今までに見せなかった姿を見せてくれるようになります。
何もかもが完璧に見えた彼女の、ちょっとユルい部分だったり、人間らしい部分。そういうところが見えはじめて、余計に魅力的に見えてきて、もう止まらないねコレ。
そんな中で、萌香が一真を好きになった理由をやっと聞き出すことができたわけだけれど、それがきっかけで、このままでいいのかと思い悩んでしまう一真
彼氏と彼女になるというのはどういうことなのか。こんな風に、女の子が一方的に、男の子に尽くし続けるだけの関係でいいのか……一真は萌香のことをほとんど何も知らないのに!
まあ思春期の男子なんだから、深く考えないで恋愛をエンジョイしてもいいんじゃないかと個人的には思うわけですけど、一真はその点、実に誠実でしたね。間違いをきちんとやり直すエピローグは、とても爽やかでよかったです。青春じゃのう。
大きなイベントをひとつ乗り越えて、改めて一歩を踏み出したふたり。どうやら続刊もありそうな雰囲気ですので、次はどんなエロゲシチュエーションでイチャイチャしてくれるのか、大いに期待して待つことにしましょう!


イラストは睦茸さん。いやもうとにかく萌香がエロ可愛くてたまりませんです。
顔を真っ赤にしたイラストが多くて本当に私得でございます。


そもそも可愛い幼馴染みがいる時点で我々とは違う人種だったのだ……(遠い目)。