まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

路地裏バトルプリンセス4

路地裏バトルプリンセス 4 (GA文庫)

路地裏バトルプリンセス 4 (GA文庫)

ストーリー
師・灰谷切子との避けられない対決に覚悟を決める日月。
そしてそんな彼に対して、自らの想いを告白する小町。
一方の來未は、日月の知らぬところで切子と接触し、勧誘を受けていた……。



文句なしの最強にして師匠・灰谷切子と、初代魔王少女・日月との決戦を描いた最終巻。
切子の圧倒的な強さを相手に、挫折、復活、そして再戦……これが盛り上がらないわけがありません。最後まで熱い闘いを見せてくれました。
一方で恋愛方面にも決着が。こちらに関しては個人的にはちょっと残念ですが、予想通りかつ納得の結末ではありました。


魔王少女ではなく、二代目の師匠として第二位にまで上り詰めた日月。そんな日月に、新しく第百位となった師匠・灰谷切子が真っ向勝負!
《血闘》の世界では紛れもなく最強を誇る日月ですが、切子の強さはそれをさらに上回る、想像の埒外のもの。
当然というべきか、まともに用意もなっていないような状態では、太刀打ちできるはずもなく……。挙句、最愛の弟子・來未まで奪われてしまって、どん底へと落ちてしまいます。
日月の身を守るために仇である切子の弟子になることを決める來未がなんとも健気でたまりません。どこまでも純粋で、まっすぐで、素直な彼女に、そんな道を選んでほしくはないけれど、他にどうしようもなくって……。切ない。


師匠の元から弟子を取り返すため、絶望の淵から立ち上がる日月。そのきっかけになったのは、やっぱりあの子でした。いやあ、ずるいなあ。こんなタイミングで、そう出てくるのはずるいよ。
まあ、來未の日月への想いは終始憧れであって、恋愛感情ではなかったわけだし、一足先に恋に生きた女の勝利というところですかね。
こんなことで立ち直ってしまう日月も日月ですが……初代魔王少女も、結局はひとりの思春期男子だったということで。
遂に訪れた最終決戦。切子に対峙するのは、來未が憧れたあの魔王少女の姿となった日月。
大切な君を取り戻すために、今戦う! ……熱いじゃないですか。女装なのに、なぜか格好良いんだからなあ。まったく。
これにて魔王少女の闘いはおしまいとなりましたが、二代目魔王少女の本当の活躍はこれからです。最終章、力をつけた來未との師弟対決の直前で、お話は幕を閉じていますが……。たとえ今は届かなくても、いつかきっと、來未は日月を超えてくれるはず。
來未というヒロインが本当に大好きなので、彼女にはいつまでも、元気で、強く、熱くいてもらいたいなと思います。師匠なんかめった打ちにしちゃえ。


切子×來未の危険な師弟関係も正直アリだと思った。