まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

グランクレスト戦記 6 システィナの解放者(下)

ストーリー
三男・サルヴァドルがテオによって討たれたという報を受け、本格的に討伐軍を招集するロッシーニ家。
一方のシルーカは領民たちの心をさらに掴むため、システィナの海で頻発する混沌渦を鎮めることを提案する。
アーヴィンと協力し、混沌渦の原因を突き止めたシルーカだったが……。



テオとシルーカによるシスティナ解放戦・後編。薄めのページ数ながら、中身の詰まった巻でした。
ふたりの頑張りもさることながら、アーヴィンと人狼の双子の活躍が目立ちましたね。
テオ側だけではなく、敵となるロッシーニ家の方にも、君主としての矜持があってよかったです。ただの悪徳領主じゃなかったんだ……。


システィナの人々の人気を得るために、昔から大陸との海峡に発生している混沌災害・混沌渦を鎮めることにした一同。
混沌渦の原因となっている魔獣を引きずり出すため、最大の戦力となったのがシルーカです。こうやって魔法師らしく大規模魔法を使ってくれると嬉しくなりますね。この人、なかなか派手な魔法を披露してくれませんから……。
上手く住民を焚きつけて革命軍となったテオ達は、ロッシーニ家長男・ドーニ率いる領主軍と衝突。
こちらの方は、どちらも寄せ集めの軍ということで対して策を練ったりすることもなく、真っ正直な戦いとなりました。魔法は見せてくれましたが、軍師的な活躍の方はまだ見せてくれませんか……。
一方で元気な戦いぶりを見せてくれたのが侍従アーヴィンと人狼の双子エマ&ルナ。
特に双子は、あの災厄を起こした魔女を追い詰めた上、アーヴィンの命も救う大活躍でしたね。キャラとしても明るくて見ていて気持ちがいいふたりなので、今後もぜひ大暴れしてもらいたいです。


最後の最後、ロッシーニ家は君主としての役割を果たし、後をテオに引き継ぐこととなりました。
サルヴァドルやドーニは少し残念な人物でしたけど、君主ペデリコと次男ジュゼルはなかなか立派でしたね。
さて、テオは無事に目的を達成しましたが、アルトゥークの方では太守ミルザーとの遊撃戦が激化。条約側を率いるオイゲンの奮戦が描かれました。
ついに力技に打って出たミルザーに対して、覚悟を決めて立ち向かうオイゲン……未来を若き英雄に託して去るオジ様の姿、格好良かったです。
さあ、テオとミルザーが正面からぶつかる時がやってきました。テオは無事に条約の盟主となることができるのでしょうか。そしてミルザーとの戦いの行方は。次回もシルーカの活躍に期待しつつ、楽しみに待つこととしましょうか。


コリーンが妙にいい女になっている。