まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

英雄失格2 やっぱり、世界を滅ぼします

ストーリー
何やかんやで世界の危機を回避したフダラク荘の英雄(?)達だったが、次の災厄はすぐそこに迫っていた。
その災厄に、かつてその著作で世界を救った天才作家が関係しているらしいという情報を得た総一。
まずは話を聞こうとするのだが、彼女は何故かアパート内に存在したダンジョンの奥に引き籠もっており……。



堕落しきった元英雄たちを説得してどうにかこうにか世界を救う、ダメ人間たちの救世コメディ第2弾。
次なる災厄は引きこもりの天才作家……って、もう完全に英雄が世界を滅ぼす側に立っちゃってるねコレ!
前回にもまして英雄たちが全く働かない中、唯一まともに話が通じる魔王の可愛さったるや。


またも7日後に差し迫った、世界を滅ぼす災厄。今度はフダラク荘に引きこもっている天才作家・綴が関係しているということで、彼女に会うために総一と勇者と魔王は地下深くのダンジョンへ……なんだこのカオスなパーティー!
1巻での敵だった魔王・ミリアムは、もうすっかりフダラク荘の使用人と化していました。打倒勇者や、世界征服の野望を諦めたわけではなさそうですけど、なんとなく全体的に不憫! 総一の扱いも他の英雄たちに比べて雑で(まあそりゃそうだけど)、なんか可哀想! 魔王なのに!
魔王なりの思惑があってのこととはいえ、今回まともに働いたのはエリカとミリアムだけでしたし、なんならエリカもロクなことをしていなかったし、ミリアムのことをもうちょっと優遇してあげてもいいんじゃないでしょうか……。そんな薄幸ぶりもまた可愛いんですが。


ダンジョンの奥深くにいた綴は、何もかもをカップリングしてしまう能力を持った天才作家。
魔王はまだ別世界で暴れたくらいでしたけど、今回彼女のせいで巻き起こったのは全世界のカップリング地獄です。もう世界終わっちゃってるんじゃないかなってくらいカオスな空間でしたね。
しかし、エリカとミリアムを総一にカップリングしてくれたのはナイスな一手でした! とても(ラブコメ的に)上手いぞ! まあ、デレてもこんなもんか、ってくらいの残念デレっぷりでしたけど……。
綴は、編集者への恐怖が高まりすぎてめちゃくちゃ高レベルに引きこもっちゃうダメ人間でしたが、他の饅頭とかトカゲとか変態ヒーローに比べれば、だいぶマシにも見えました。あいつら今回ホントに何もしてないからな。
世界を救うんだか滅びに追いやってるんだかよく分からない元英雄たち。次の災厄にはどんな風にハチャメチャに立ち向かっていくのか楽しみです。ミリアムの活躍に期待しています!


廊下がしょんぼりするイラストはさすがに初めて見た。