まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

覇剣の皇姫アルティーナX

ストーリー
ハイブリタニアとランゴバルトの連合軍に占領された城塞都市グレボヴァール。
第二皇子ラトレイユに請われたレジスは帝国第一軍の軍師として都市奪回作戦に参加することに。
初めの城攻めでは大きな損害を出してしまったレジスだったが……。



長く続いたハイブリタニア戦編がようやく完結。
ラトレイユの下で辣腕を振るうレジスの、「軍師といえば!」な定番の計略が見られて楽しかったです。
でもさすがに、アルティーナの出番が全くのゼロだったのにはビビりましたね……。


アルティーナの政敵・ラトレイユから頼み込まれて、第一軍の軍師として働くことになったレジス。
今回は久しぶりに城攻めです。もしかしてヴォルクス要塞以来じゃないですか? 平原での戦いもいいけれど、城攻めはまた違う派手さがあるので好きなんですよね。
敵側にはオズワルドがいるし、初戦で読み負けているだけに、レジスの大規模な作戦が上手くいくのかどうか、緊張感もたっぷり。
諸将はもとより、ジェルマンまでもレジスの采配に疑問を呈する中で、彼の計略を信じて軍を動かし続けるラトレイユの大物っぷりが光りましたね。強者は強者を知るといいますけど、かつて裏をかかれた相手も才能があれば重用する器の大きさを感じます。
ラトレイユとアルティーナは絶対に相容れない敵同士ですが、これだけ帝王らしい振る舞いを見せられると、逆に天晴れと思えてきますね。


ヴァレイズとフェルの活躍もあり、開放される捕虜たち。レジスの策で崩壊する敵軍と城塞。
そして戦いのクライマックスでは、女王マーガレットの乗る馬車を目の前にして、オズワルドが立ちはだかります。
彼も非常にユニークなキャラクターですよね。マーガレットへの偏愛から生まれる、倫理観とか常識とか、そういったものからかけ離れた策略の数々。
マーガレットとの狂った主従っぷりは、敵の大ボスとして強烈な印象を与えてくれました。なんだかんだで結構好きな主従です。
さて、主従といえばアルティーナとレジスですが、今回はストーリーが全面的にレジスとラトレイユの活躍に振られていたので、アルティーナの出番が全くありませんでした。なんてこった。
ベルガリアはひとまず窮地を脱しましたけど、レジスのピンチは未だ継続中ということで、姫様との再会はいつになることやら……。軍師と再会して笑顔の姫様が見たいですね。


ファンリィーヌさんの微妙な空気の読めなさが好き。